幽霊相談事務所
□心の闇
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「はぁ? 何言ってんのオマエ、うちのじーちゃん3年前に死んでるってのに……」
「しかも赤坂の後ろになんか誰も居ねーじゃん」
「え? えっと……あっ! お兄ちゃん引っ張らないで、まだお話終わってない……」
「お兄ちゃんだって? やっぱコイツ頭おかしいっ!!」
「早くどっか行こーぜ、訳の分からない作り話とか気味悪い……」
あの頃は他人と自分の視ている景色が違うだとか、生きるとか死ぬとかそんなものよく理解出来ていなくて……何故自分の発言が否定されているのか分からなかった。
そんな自分が嫌で悲しくて、遣り処の無い感情をお兄ちゃんにぶつけては泣いてばかりいた日々だった。
でも、今は違う。
成長するにつれ自分の置かれている立場も理解できるようになった。今の学校ではクラスに馴染めたし、他愛ない話をする友人もそこそこ出来た。
そう……私が黙ってさえいれば、昔のように周囲から奇異な眼差しを注がれることはないのだから。
今の私に、これ以上望む事なんて……