幽霊相談事務所
□青年の秘密
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私は青年に連れられるまま家の外へと出た。ザーザーと激しく降っていた雨はいつの間にか小雨程度になっており、もう傘をさす必要もなかった。
先程感じていた森の不気味さも、やはり誰かと居るだけで少しだけ和らいだ気がする。
どうやら青年は、この森の地図を暗記するほど歩いているらしい。あれだけ私が迷った道のりを一度も戸惑うことなくスタスタと歩き続けている。
私は白アスパラのようにヒョロい後ろ姿を追いながら、ぼんやりと思いに耽っていた。
(一体どこに連れて行く気なんだろう……。もしかしたら "ドッキリ大成功!!" って看板持ったお兄ちゃんが物陰から出てきたりして――)
ゴンッ!!
「ぶふぉっ!!!」