うらどりーむ
□隔たりの向こう
1ページ/4ページ
オトコという生き物を信用していない私にとって
仁王という生き物はかえって清々しい
まるで息を吐くように嘘を付くあの男は
きっと
私によく似ている
新学年だからか迷惑なほど張り切っているうちの担任は
朝のHRに必ず小テストをする
集めるのは列の一番後ろの生徒
私は時間と共に立ち上がり前へ、前へとプリントを集めて行く
前から3番目の仁王のプリントを貰う
ちらりとそれに目をやると右下が三角に折られている
ソレを確認したのち私は小さく咳払いをした
これは仁王と私の
‘今日シよう’
っていう合図