上下関係元

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先生と出会って2年。
先生に恋して2年。

こんな私だけど、ちゃんと先生の事、愛してるよ。





「今日は、赤井先生が不運により、お休みです。なので、英語は自習を…」


そんな言葉が耳に入った。
窓の外を見ていた私は、驚いてその先生の方に視線を変える。

赤井先生、今日休みなんだ。

心底からショックを受けた。
だって、折角先生の授業だったのに。
先生の授業は週2でしかない。
英語は基本4回あるんだけど、2回は移動。
その為、先生の授業を受けれるのは2回だけ。

そんな少しだけの先生の授業がなくなると、
不覚にもショックを受けた。

今日、何のために学校来たんだろう…
何のために、ドキドキしてたんだろう…。

バカらしく思えるよ。



それから今日1日は長く感じた。
学校が終わり、先生のクラスの教室の前を通りすぎろうと思った時、耳に入ってきた。
こんな話が。


「赤井先生、身内の人が亡くなったらしいですね…」

「あ、言ってましたね…生徒には言わないでって言ってましたけど…」


この声は、おそらく他に英語を担当する男女の先生だろう。

てか、…身内が亡くなった?
ってことは、血の繋がりが深い人…てこと?

私はすごくショックを受けた。
先生の身近な人が、先生の大切な人が、
今日、亡くなった。

先生は今、どんな気持ちだろうか。
駄目だ。今すぐ先生を抱きしめたい。
大丈夫だよ、って。
私がいるよ、って。
そんな事、彼女でもないから出来ないけど。

先生、大丈夫?



それから私は、ずっと先生の事を考えて過ごした。

ご飯を食べてる時も、テレビを見てる時も、
お風呂に入ってる時も、寝る時も。

ずっとずっと頭の中は、先生でいっぱいだった。






「おはよぉ〜」


いつも通りの教室。
先生が不運だからって、私達には関係ないのかもしれない。
そう思った。

相変わらず私の登校はギリギリだ。
いつも必ず5分前。
だって、1分でも多く寝たいし。


担任が来て、皆各自席に着く。
そして朝のHRが始まる。


「えぇ〜と、昨日英語がなかったため、今日はいっせいでやるらしいです。なので移動はありません」


…マジ?やった!。

先生の英語が欠けたと思ったら、なんと今日は一斉!
これでちゃんと週2、先生の授業が受けれる。


3限目が楽しみだった。






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