上下関係元

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「せぇ〜ん〜せっ」


「ん?…お、また来たのか?」



いつもの笑顔を向けてそう言ってくれる、
私の大好きな先生。




「来ちゃいました」


「もうすぐ授業始まんぞ〜?」


「わかってまぁす」




この先生、赤井先生は技術担当。
なので、毎日必ず技術室にいる。

先生に逢いたい時は技術室に来ればいつでも会えるって事だ。

まぁ、校舎別で外ってのが少し残念だけどね。




「次、2年生ですか?」


「次と言うか、次の次な。」



そう言いながら笑顔で玄翁(ゲンノウ)を握り締める。



「え?別に意味一緒じゃないですか?」


「何でだよ、笑。じゃあ普通、今ここに移動してきた2年生が居るはずだろ?」



ん?・・・あ、そっか。

そうでした と苦笑いをすると、
相変わらずバカだな といって、軽くデコピンされた。



「ぃてっ……もぉ!先生!」


「ハハハ、はいはい。ごめんよ」



そしてまた、次は鋸(ノコギリ)を手にとると、
ゴキゴキと木材を切り始めた。

1人で抑えてちょっと辛そうだったので、
仕方なく手伝ってあげる事にした。



「・・・あ、ありがとう」



無言で板を抑えると、今まで動いていた手が軽く止まり、

ありがとう と言ってからまた動き出した。


・・・可愛い笑顔向けるな。バカ///。



「先生も大変ですねぇ…」


「?、どうして」


「だって、こんな作業を1人でこなすんですもん…すごいですよ」


「ははっ、そうかー?笑」



だから、その笑顔反則!!

その後すぐにチャイムが鳴った。
あーあ、もう先生とバイバイか。そう思った。



「鳴ったな。次の授業、なんだ?」


「えぇ〜っと、確か、社会です!」


「じゃあ藤井先生だな。」


「はい、えぇと、失礼します」



ペコリと一礼し、
技術室を出た。

その後ダッシュで3階の教室まで向かった。
社会の先生は厳しくないから、
少しの遅刻は許してくれる。


「すいません、…遅れました」


「あぁ、黄架さん。どうぞ、入ってください」



にっと笑い、授業を再開する。
優しいね〜、先生。

言われた通りに入って席に着く。
ノートと教科書を出し、黒板の文字を移していく。

・・・環境問題...か。
地球温暖化、進んでるらしいからなぁ。
二酸化炭素、減らさないといけないのに。



「工場から出る煙とか、生き物から出る二酸化炭素も原因の1つで」



社会って、難しいよね。
英語の方が断然簡単だよ。



「あ、そういや君ら、知ってる?」



いきなり話が変わる。
これは社会の先生の悪い所だ。
急に打線するからなぁ



「なにをー?」


「赤井先生いるでしょ?
昨日、俺と、赤井先生と、残り3人ぐらいの先生達で食べに行ったんですよ」



へぇ…
先生達で、ねぇ……いーな。




「じゃあ赤井先生がね、
俺、絶対みそ汁飲まないとダメなんですよね
とか言って、寿司屋行ったのに
寿司屋の職人さんにみそ汁頼んでたんですよ〜」


「えー!何それ!」


「超おもしれぇじゃん!」



あ、あの先生が…
あんな肉食系に見える人が、
絶対みそ汁……か。

面白いな。
先生の新たな1つ、知れた。



「俺等も正直ビックリしましたよ。
あの赤井先生が!?みそ汁!?
ってなりましたもん、笑」



そりゃぁ、そうなるでしょうね…。



「っと、こんな話をしていたら、もうチャイムが…」



その言葉と同時にチャイムが鳴った。



「はい、じゃあ終わります」




そうして社会が終わった。






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