上下関係元

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目的地に着き、車を止めると、
2人一緒におりた。



「うわぁぁ!!!」



目に入ってきたのはとっても綺麗な絶景。
街の光も綺麗だが、
何より一番、木々や花がきれいだった。

風に沿って揺れる木々。
青や赤、ピンクに紫などと、色とりどりな花。

その上この街の景色。


綺麗の一言だ。
本当に、綺麗だ。

いつから先生はこんな場所を知っていたのだろうか。

もしかすると、ずっと前から知っていたのかもしれない。



「この辺に座りましょうか」


「そうですね」



先生の指示に従ってその場所に座る。

緑色のじゅうたんが、ザザッと音を立てる。
これは雑草と言えるのだろうか。
雑な草なんかには見えない。

雑草だって、綺麗な咲き方をするんだ。
心の中でそう思った。



「俺ね…いつかこの場所に、大切な人と来たいって思っていたんだ。」


「・・・そうなんですか」



大切な人。
先生の中での大切な人って、一体誰なのだろう…。

そう考えて、ホットレモンを口にする。
ゴクンと一口飲むと、ほんわかしたレモンの味が口に広がり、喉を通る。


あったかい…




「それで、この場所は大切な人が出来るまで、誰も連れてこないつもりだった。」


「…はい」



じゃあ、…何か、
私悪い事したよね…。



「でも…俺の中で、大切な人を見つけた。」


「はい…」


「だから、連れてきたんだ」



…それはいつの話をしてるの?
先生の中での大切な人…それは誰?
私が知ってる人?知らない人?
それとも…
とても身近な人なの?



「まぁ、その人は、…自分が初めてだって事気付いてないんでしょうけどね…」


「へぇ…そんな人もいるんですね」



にっと無理やり笑顔を作って笑って見せた。
すると先生も笑顔でこちらを向いて一言。




「そう。今目の前にいるおバカな人ですね」



「…」



ん?




「俺、好きなんです。」


「誰が…好きなんですか?」



聞きたくないけど、
聞くしか逃げ場はなかった。




「そうですね…天然です、はっきり言うと。植物が大好きで、何かを観察するのも好きで
手がとても冷たい」


「えっ?…それって」




「貴方ですよ…雫」





そう言うと、優しく抱きしめてくれた。
先生の腕の中…すごく安心する。
ドキドキする。



「好きです、雫」


「っ…私も、ですっ」


「本当ですか?」



とても嬉しいです にっと優しく笑うと
スッとキスをされた。

静かな、音をたてないキス。


それと同時に風が吹き、
木々がともに揺れる。

それが…歓声にも聞こえた。



「これから毎日ここに来ましょうか、笑」


「・・・///そ、それは」


「冗談ですよ。戸惑ってる雫も可愛いですね」



そう言って次はおでこに優しいキス。



先生との恋愛は、
甘くて可愛い…純愛になりそうです。









-end
2012.1.30
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