あやかし狐のお姫様
□あやかし狐との再開
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あれから10年の月日が経ち、高校2年生になる春休み。
私は再び京都の地を踏んだ。
私の通っている高校は私立の進学校で、春休み中に修学旅行をしてしまう。
「きゃーっ、京都よ、古都よ、舞妓さんよ〜〜〜っ」
空港のロビーで背伸びをしながら叫ぶ、私の隣のハイテンションガール、王之宮杏樹(オウノミヤ:アンジュ)ちゃん。
お家は代々、有名な神社の管理人さん。
神主さんって言うのかな??
天然のブラウンの髪を緩く巻いて、目元はパッチリ二重。
メイクをしなくても十分可愛いから羨ましい。
フランス人形みたいな可愛い外見に対して、中身はしっかり者のお姉さんなのだ。
可愛い物に目がなくって、たまに暴走するのが玉に傷だけどね…。
「ちょぉっ、杏ちゃん恥ずかしいから!!」
そして私、片瀬真緒(カタセ:マオ)。
チビでドジで泣き虫。
胸下まであるストレートの黒髪に、童顔。
コンプレックスの塊なのです。
そんな私を引っ張って行ってくれる杏ちゃんは私の大切な人なの。
「ふふ、美味しい物いっぱい食べましょうね〜」
「あんまり興奮したら駄目だよ?」
「分かってるって!
あ、今日は学年行動だよね?
楽しみだなぁ、清水寺。」
杏ちゃん、いつものように私の言葉は耳に入ってないみたいだね…。
今日は学年行動で清水寺の見学。
私が初めて不思議体験した、あのお寺。
今回は何もないといいけど…。