05/03の日記

04:40
ケーキの回
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ご利用は計画的に[準備]
30年7月15日午後16時00分
エレメンタルガーディアン本部パーティーー準備室

シロン「フッフッフッフッフッフッーーー...」

俺の胸は高鳴りを起こしていた.
とうとう俺の腕前が本格的に認められる日が明日と迫っているからだ.
そしてスタッフは20人とやや少なめだが、
1コーナー受け持つにはちょうど良い人数である.
さてと...
まずは俺の演説でも聞いてもらおうかな?

シロンはなんかの悪人風にそう思うと、
静かに指示台の上に立った.
そしてニヤリと笑うとこう演説した.

シロン「諸君、私はケーキが好きだ.
 諸君、私はケーキが好きだ.
 諸君、私はケーキが大好きだ.
 ショートケーキが好きだ.
 チーズケーキが好きだ.
 チョコレートケーキが好きだ.
 レアチーズケーキが好きだ.
 モンブランが好きだ.
 タルトが好きだ.
 シフォンケーキが好きだ.
 クランチケーキが好きだ.
 プリンケーキが大好きだ.
 平原で 街角で、
 豪邸で 草原で
 凍土で 砂漠で
 海上で 空中で
 泥中で 湿原で、
 この地上で食されるありとあらゆるケーキが大好きだ.
 他人にケーキを食べてもらって美味しいといってもらえるのが好きだ.
 ケーキを通じて他人と分かち合えるのが好きだ.
 親の誕生日に子供が自らの手で作り上げたケーキを一緒に食べるという話を聞くと、
 感動すら覚える.
 諸君、私は天国に到達するようなケーキを望んでいる.
 今回、私を手伝うことになったきみ達は何を望んでいる?
 単なるコーナーを望むか?
 単なるデザート扱いを望むか?
 情け容赦のないマイナー扱いを望むか?」

シロンのこと問いにスタッフ一同が声を揃えてこう言う.

一同「甘党!!甘党!!甘党!!」
シロン「よろしい!!ならば甘党だ!!
 我々は満身の力を込めて今ただ振り下ろさんとする拳だ!!
 だがこのマイナーデザート扱いではもはや足りないのだ!!
 パーティー会場に飾る花束を!!
 ケーキコーナーを!!
 我々は他のコーナーよりも少ない20人しか居ない小さなコーナーだ!!
 だが私はきみ達を一騎当千の力を持っていると信じている!!
 そう考えれば200000人と1人のスタッフ数となるのだ!!
 マイナー扱いするやつらに真の美味しさを気がつかせてやろう!!
 連中にケーキの美味しさを思い知らせてやる!!
 我々がクリームを混ぜる音を思い知らせてやる!!
 世界の甘党達に認めさせてやるのだ!!
 ゼーーー!!ゼーーー!!ゼーーー!!........」

シロンは酸欠で一瞬意識が飛びそうになったが、
なんとか意識を持ちこたえた.
その様子を見ていた者達は...

シュウ「だからなに?」
ロッキー「ケーキーってそんなにマイナーな食べ物なのですか?」
リザードマン「なんか途中無茶苦茶いってたぞ...」
Wドラゴン「ケーキなんて作ったことねえよ.」
ウェアウルフ「ケーキってあの甘いお菓子だよな?
 俺あんまし好きじゃねえな.」

このように身もふたもない返事が帰って来た.
シロンはコック帽と職人の服を着ると、
みなの前に立ち作り方を教え始める.
そしてみなはそれをまねしてケーキを作って行った.
『まあ、何とかなるだろう.byシロン』

一方そのころ...

ウォルフィー「お前さー...どうするよ?」
グリードー「なにがだよ?」
リーオン「パーティーいだよ.パーティー.」
グリードー「ああん...適当にブラブラしとくわ.」
ウォルフィー「と言いつつ一番楽しんでいるのはグリードー、お前じゃねーか.」
リーオン「で?レオタンは?」
グリードー&ウォルフィー「いたのか!?」

実はリーオンの影に隠れていたが、最初からいたレオであった.

レオ「タンをつけるな.」
グリードー「そういやー...酒のめるか?」
レオ「俺は未成年だ.」
グリードー「早いうちになれとくもんだぜ.」
レオ「そういう問題じゃない...健康の問題だ.」
ウォルフィー「まじめだなー...」
リーオン「おいらもお酒は飲めないけどね.」
ウォルフィー「そんな怖い顔をしてか?」
リーオン「顔と関係ないだろ!!」
レオ「お前らといると疲れる...」

レオは頭を抱えながら何処かに行った.
そして場所は戻って...

シロン「明日までにノルマを達成するんだ!!解ったな!!」
シュウ「シロンしきりまくりだねー...」
ロッキー「僕達はただ見ているだけなんですけどねー...」
シュウ「スタッフじゃないですからねー...」
ロッキー「カーくんもここにいればよかったのですがねー...」

その瞬間...
シュウとロッキーの会話は終わりを告げた...
そこへ、厳重に護衛された一人のレジェンズがやってきた.

???「いやいや〜、みなさんこんにちわ.」

その声の主を見てシュウは一言こう言った.

シュウ「ネコだーーーーーーー!!!!」
コンラッド「にゃあ!?ネコじゃないにゃあ!!ケットシーのコンラッドだにゃあ!!」
護衛兵「シュウ様!!この御方は明日のパーティーの主役なのですぞ!!
 少しは礼儀というものを!!」
シュウ「どう見てもネコじゃん!!ネコをネコっていって何が悪いって言うんだよ!!」
コンラッド「ネコネコうるさいにゃーーー!!」

その様子を黙って観察していたロッキーだがあることを思いつく.
そしておもむろに『猫じゃらし』をとってきて、コンラッド博士の前にたらしてみる...

シュウ「このネコーーー!!」
コンラッド「ネコじゃにゃ!!.......にゃっにゃっ...」
ロッキー「ほれほれーーー...」

コンラッド博士はものの見事に誘惑に釣られ、
猫じゃらしをしきりにひっかいている.
しばらくその様子を見ていたシュウだが、
とうとう口走る...

シュウ「確定だな...ぷっ...」

その笑い声に気がついたコンラッド博士はすぐに否定作業にはいる.

コンラッド「ちっ違うにゃあ!!のってあげただけだにゃあ!!
 別に我慢しようとすれ.........」
ロッキー「ネズミの串焼きですよー...食べたいですかーーー?」

ロッキーは、非常食として携帯しているネズミの串焼きをちらつかせた.
コンラッド博士はとうとう耐えきれなくなってロッキーに飛び掛かる.
正確には串焼きに飛び掛かる!!

コンラッド「うにゃあ!!」

しかし場所が悪かったために、シロンが作っていたケーキがつぶれてしまった.
しばらく顔を上げなかったシロンだったが、急にクリームベッタリの顔を上げてこう言った.

シロン「滅...」
ロッキー&コンラッド「へ?」

その後の出来事を知るものは少ない...

で、一方そのころ...
とある場所では...

ファル「ブリーフィングを始める!!」
司令塔『今回コンラッド博士の歓迎パーティーの開催が決まった.
 このパーティーをぶち壊さないためにもガリオン・コマンドの飲酒行動を維持でも塞き止めなければならない.
 一度飲酒してしまうとまたあの惨劇が繰り広げられることとなる.
 今回は特殊部隊であるシロン・サブコマンドにも協力して頂いた.
 彼はお酒が飲めない(瞬間睡眠効果がある)ということで、
 彼は常にケーキコーナーで見張りをしているだろう.
 緊急事態には彼にも出動してもらうつもりだ.
 なお、その他の部隊は当日の状況で行動を判断.
 今回のパーティーの安全はきみ達にかかっている!!
 必ずパーティー会場の平和を死守してくれ!!
 以上.』
ファル「で、質問は?」
オドネル「指揮官は?」
ファル「今回は私、ファルがみなさまの指揮をやらせて頂く.
 依存は?」

皆が首を横に振った.
その表情は真剣そのものだ.
たかがパーティーのためにここまで真剣になるのはどうかと思うが、
死人が出てもおかしくない状況になるのだ.
真剣にならずにはおれないだろう.
ここに完全なる防衛体勢が敷かれたのであった!!

でもって、ランシーンさん達は...

ランシーン「....................」
アリシア「ガラス細工って楽しいものなのですね.」
ランシーン「熱い...」
ソンレイ「こっちで冷やすからできたやつもってこいよー.」
ズオウ「ガラス!!冷やす!!すごく!!冷やす!!」
ルーボン「シャー!!」
グレーデンリッヒ「俺はわざわざ溶かさなくても無機物質を操れるから冷やさずとも出来るぜ!!」
ランシーン「大体ねえ...私は確かに実験器具を自分で作ってますよ...
 でもねえ、なんでパーティー用のグラスを作らないといけないのですか?
 おまけに、あのケーキコーナーとやらのグラスの発注数はなんですか?
 シャンパンタワーぐらい一つ充分でしょう...
 なのに四色作るとか言いますよねー...
 何を考えているんでしょうか?
 そもそも...ぶつぶつ...」

溶鉱炉の前での暑苦しい会話であった...

そして再び他のコーナーでは...

ガリオン「準備はどの位まで出来ておるのだ?」
バルト「明日の4時までには完成する予定です.
 食材などはオリオルクにある氷洞に入れておきました.
 とくにどこも問題なく進行しております.」
ガリオン「それは楽しみだな.」

ガリオンとバルトが会話をしているところへ、
アリシアとファルとオドネルがやってきた.
何やら板のようなものを持っている...

アリシア「やっと見つけましたわ.ガリオン.」
ガリオン「その板は?」
ファル「これを首に掛けて下さい.」
ガリオン「?」

ガリオンは言われるがままにその板についたひもを首に掛ける.
するとそこにはあまりにもマヌケな姿のガリオンがいた.
首から垂れ下がっている板に加え、無表情でこちらを見ている姿は、
まさに動物園の動物にしか見えないのであった...

ガリオン「これは何のまねだ?」
アリシア「『お酒を絶対に与えないで下さい.』これでよいですわ.」
ガリオン「いろいろといいたいことがあるが........
 クロスブロウザン!!!!」

とりやえずファルとオドネルをぶっ飛ばすことにした.

アリシア「こうしておけばみなさん解ってくださいますわ.」
ガリオン「私は非常に恥ずかしいのだが...」
アリシア「パーティーの平和を守るためですわ.」
ガリオン「そなたがそこまで言うのならば...
 で、これの発案者は?」
アリシア「ファル様ですわ.」
ガリオン「それはよかった.
 忠著なく殴れるからな...」

ガリオンは後半部分を誰にも聞こえないように言った.
そのあとしばらくガリオンとファルを見たものはいなかったという...
そんなこんなでパーティーの準備は順調に行なわれて行ったのであった...

ランシーン「あっ...変な形になりましたねー...まあいいでしょう...
 どうせ飾り用のグラスですし...」

※「謎の試験管」より

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