小説
□こゆびーむ大作戦
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来る…あと少し、あとちょっと……今だ!!
* * * * *
悔しい。 うちにはなくて、ももにあるもの。
それは胸…ではなくて……ちょっと!!違うんだから!うちはまだ大きくなるの!!
はっ!お、落ち着いて。では改めまして、うちにはないけどももにあるもの……それは余裕!!
本人いわく大人の余裕。
それがないからうちはまだももに勝てないんだと思う。
とはいってもいきなりそんなものをてに入れようとしたって難しい。
だけどせめてさぁ、ももの余裕を少しでも打ち崩してやりたい。 そんな願いを込めた作戦。それは……
「こゆびーむ大作戦!!」
ちょこちょこ番組とかニコ動とかでもやったけど、それはやりますよって言ってからやるからあんまり効果がないんだ。
だから不意打ちにこゆびーむを使えば……!
『えっ?えっ?みーや…えっ!?』
みたいにキョドるところを見れれば、うちは満足だ。
幸い今日はリハーサルだから色々休憩とかもらえるし、チャンスを狙えばいくらでもスキはある。
見てなさいよ!! 絶対やってやるんだから!!
* * * * *
コツ…コツ…あと、二歩。ドキドキしてきた。 コツ…コツ……よしっ! 今だ。
「こゆっびーーーむ!!」
* * * * *
問題は場所とどうやってももかどうかを判別するかだよね。
場所はあんましスタッフさんとかがいない方がいいし、大体もも以外の人にそんなことをしたらごまかしがきかない。
ということでまずは仲間を集おう。 ちぃ…にしたいけどちぃにこゆびーむ見られるのやだな……かといってキャプテンとか茉麻なんかはバカらしいからやめなさいとか言いそうだし……
熊井ちゃんだとうっかり違う場所に案内しそうだから、やっぱりこうなってくると……
「ふぇ? りーでいいの?」
「お願いっ! 帰りにおいしいアイスとかおごるから!」
「ほんと!?」
楽屋でお菓子をパクついてる梨沙子を協力者に加えて、しばし作戦会議。
梨沙子いわく、ももは絶対飲み物を買いに行くからそこに自分が同行するのはどうか?ということにまとまった。
確かに自販機のところなら忙しいスタッフさんとかは使わないし、都合がいい。
梨沙子…いい仕事してるよ。
ということで二回目の休憩に決行することに。
高まってきた〜!!
* * * * *
うちが渾身の力で放ったこゆびーむは一直線にももに直撃!!
「えっ!? みや!? ちょ…」
ふふん、どう……!?
「なんで…ちぃ?」
隣には目が泳いでる梨沙子。 真っ赤になって明らかに笑いを堪えてるちぃ。
そして…
「アハハハハ!! み、みや!! そ、そんなにこゆびーむ使いたかったんだねぇウフフ♪」
高い声がちぃの後ろから響いてきた。 嫌な汗が背中を流れる。
「みや、まだ早いよ……。」
「ヒャハハハハ!! ゲ、げっほ!! アハ、アハハハハ!!」
ついに大爆笑になったちぃ。 梨沙子……あんたって子は…。
というか。
「なんで? 梨沙子作戦全部ばらしたの!?なんでちぃがいるのさ!!」
つい声を荒げてしまう。 そんなうちを諭すように話始めたもも。
「りーちゃんはべつに何も言ってないよ。 でもりーちゃんをお菓子で釣ろうとしたのは失敗だったってこと。」
まだ頭の整理がつかないうち、続けるもも。
ももいわく、だれのめにも明らかなほど梨沙子のテンションは高かったらしい。
「ね? 別に作戦はばらしてないよ。 それに、みやだってリハ中ニヤニヤしたりしてたし。りーちゃんに一緒にジュース買いにいこって言われたけど、普段りーちゃんみやと行くから変だなぁーって思ったから、試しに千奈美と先行っててって行かしてみたら……ぷっ。 みやカワイー。」
そんな……ということは…
「まだまだだね、みや♪」
「あぁぁー!! くやしぃぃぃいい!!」
FIN