小説
□痛みさえ愛しくて
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過保護。 それはみんなに言われる。
そんなんこと無いとおもぅんだよなぁ……。
もぉは、まぁ…できることなら誰にも触れさせたくないけど。
彼女に対する自然な気持ちだよね?
守りたい、側にいたい、いつでも抱き締めていたい。
だから、今日も。
「愛理?」
「ももぉ〜」
笑顔でこっちまで来てくれる、ほら、こんなキラキラした顔されたら誰だって独占したくなっちゃうよ。
君を守りたいだけだから。
「愛理〜またね。」
「ばいばーい。」
愛理…。
止めてよ、その笑顔を見せるのはももだけでいいじゃん。
舞美になんか見せないでよ、もぉだけ見て。
でもどのみち、仕方ない子だなぁ…愛理は。 舞美をたぶらかして。
もぉのなかに広がる黒い気持ち。
「お仕置きね……愛理。 今日はももんち来なきゃダメだよ――。」
「え……?」
* * * * *
「もっ…も。 んぅ……//」
「ダメだよ、舞美をたぶらかしちゃ。」
「た、ぶらかしてなん……かな、い…。 いたっ!」
愛理の白い肌に着けた紅いもものしるし。
まるでシーツについた小さいシミみたく赤くなる。
「キレイだよ、愛理。」
「っ……なにっ…?」
怯えたような愛理に、優しく囁く。
「もぉはね、愛理を守りたいたいだけだよ……?
だから、そんな怯えた顔しないで?
……もぉは愛理のキラキラした笑顔が好きなんだから…」
涙を舌ですくってなめる。ジワリと口のなかに苦味が滲んだ。
それすら愛しく感じる。
そうだ、そうだよ。
「そうだよ、はじめからしるしをつけちゃえば安心だったね。」
「ももっ…いたいっ……!」
何個も何個も、紅くする。ここに触れていいのはももだけ。 しるしを残せるのは、もぉだけなの。
でも、ふいにもぉは作業を止めた。すすり泣くような愛理の声が聞こえたから。
「愛理……。 いたい?」
「………て。」
「え…?」
「ももなら、何されてもいいから……続けて?
悲しいんじゃないから、ももが…ももが思ってくれるのが嬉しいの。」
「あいりぃ…!」
愛しい、愛しすぎる。
だから絶対愛理は
ももが、守るから――。
FIN