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□呼び覚まして
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いつも覚めなきゃいいのにって思っていた目が今日は覚めない。
嬉しいはずなのに。
なんでだろう、かなしいね。
私死んじゃったのかな。

覚めて欲しい、なんてわがままかもしれない。
でもね、昨日寝る間際に今日覚めて欲しい理由が出来たんだ。

明日、起きたら一緒に出かけようって、スクアーロにいわれた。
でもなんでだろう?なんでこんなにわくわくするんだろう。なんでこんなにドキドキするんだろう。
ぜんぜんわからない。
なんでそんなことで目覚めて欲しいのか。
どうしてこんなに夜が長いんだろう、なんて初めて思った。
なんでだろう。
ベルじゃだめ。フランでもダメ。ルッスもレヴィもボスであってもダメダメダメ。
スクアーロでなきゃダメ。
明日がこんなに待ち遠しいんだ。
朝が来るのを待ちぼうけているんだ。
なんでなんだろう。
君をもっと知りたいんだ。
明日になったら君を深く知れるかな。
たくさんの発見が出来るかな。
君は、笑ってくれるかな。
ねぇ、スクアーロ。


もう少しで朝が来る。
待ちに待った朝が来る。
でも、私の目は開いてくれない。
苦しいよ。悲しいよ。寂しいよ。
覚めてよ。もう、待つのは嫌だよ。

…どうして?
覚めて欲しくなかったんじゃないの?
今までそう思ってたじゃない。違うの?
何が違うの?


そっか・・・好きな人ができたんだ。



正確にいえば、気づいたんだ。自分の心に。


「う゛お゛ぉい、いつまで寝てんだぁ?行くぞ」


そしたらね、ほら、覚めたでしょ?

貴方の声で呼び覚まして



私は、「ここ」にいるよ
貴方が呼びに来るのを待ってる。

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