黒玉

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「帝人、いいか?池袋には絶対喧嘩を売っちゃいけない奴がいる」
「喧嘩を?」
「ああ、一人は平和島静雄…っていう奴だ」
「平和島静雄…」
「普段はいい人なんだがキレたら化け物なんだよなー、自販機投げ飛ばしたり標識引っこ抜いたりするんだよ」
「だけどまあ、平和島静雄には関わらなきゃいいだけだ」
「平和島静雄を侮辱するような事を言って、平和島静雄の妹…平和島郁にそれを聞かれたら」
「…死にはしないが確実に重体、だ」
とはいえ普段は大人しいし可愛いし静雄さんのことを侮辱しなきゃいい奴だ、同い年だしな!と切り替えるように正臣がノンブレスで言った言葉を半分も聞いていない帝人、
自分の焦がれてやまない非日常を体感する女の子は…どんな子なんだろうか…?

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―…ここはどこだろうか。
私は、マンションのような一室におり、回りには人。
顔が怖い人から年齢が近そうな人、様々だ。

ぼうっと考えていた。

私は先ほど、何故か車道に出ていて…ああ、そうだ。猫が居たんだ。猫が、足を怪我していて。多分誰かがやったのだろう、その猫を助けようとしたら車がきた。
なんとも間抜けだ。
だが私は普通の人間程しか体が固い訳でもないので、それで死んだはずだ、
死んだはずだった。
ならばここはなんだ?

白い部屋。なんだか全てが日常から掛け離れていて、ふわふわしてる気がした。


「…あ、まだプリン食べてない」

最早考える事を放棄した私は、昼ご飯のとき食べ切れず鞄の中に入れたコンビニプリンのことを考えていた。

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帝人くんはデュラララの表の主人公、正臣くんはその親友です。
帝人くんが憧れている非日常は主人公にとっては日常なんです。



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