その他

□ビバ焼肉店(ルド)
1ページ/1ページ


「んふふふ…さあ平伏しなさい愚民共!!!!!」

「何観月ついに頭おかしくなったの」

木更津が怪訝そうに聞いた

観月がルドルフ男子寮で
独裁的態度をとっているのは
毎度毎度の日常茶飯事だったが

談話室に全寮生を
わざわざ呼び出し
その皆を
「愚民共!!!!!」呼ぶ

寮生達にはそう呼ばれる
筋合いは全くなかった

「まぁたバカ澤になんか言われただーね?」

「今度はどうしたの、観月」

「大体観月さんがヒス起こす原因は木更津先輩ですよ」

「あれぇそうかな祐太君」

観月の怒り=
赤澤が何かやらかした
or
木更津の好奇心

というのはもう常識的だった

「柳沢!!野村君!!祐太君!!淳!!ちゃんと僕の話を聞きなさい」

キッと睨み付けたかと思うと
ふわりと柔らかく笑った
ただその笑みは
目が笑っていなくて

「これをみても君達愚民は僕に口答え出来るんですかねぇ…?」

すぐに黒い笑みは
勝ち誇る様な笑みに変わる

「観月…!それ…!!」

「んふっ」

観月が手にしていたのは
一見ただの紙切れだが
目を凝らすとそこには

「『焼肉食べ放題・集団様招待チケット』…!?」

「商店街の福引きで当てたんですよ」

んふんふとご機嫌に
鼻歌を歌う観月

暫く寮の皆は
ぽかんと口を開けていたが
状況を理解した
食べ盛りの少年達は
手を叩き囃立て
談話室は観月コールに包まれた

「さあ僕を褒めたたえなさい!!敬いなさい!!」

どこぞの部長の様に
悦に浸りつつ両手を広げた










「観月が福引き当てたんだってか?」

「凄いですね観月さん!!」

焼肉店で赤澤と金田が
目をキラキラ輝かせながら問う

「…団体20名で…んふ、クジ運がたまたま良かっただけですよ」

テニス部の皆は
わいわいと騒ぎながら
通された部屋に順々に座る

「さ、どんどん食べて下さい、なんせ“食べ放題”ですから」

悪戯っぽく観月は笑った






 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ