それでも彼女は愛した

□腹を括れ
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私は、目の前のこっ恥ずかしい名前の学園を一瞥して、校門をくぐった。




―――私立青春学園。






姉が病院へ入って、今日で1週間がたつ。




入学試験があるのは知っていたが……。

正直、私にあんな問題が通用すると思わないでいただきたい。










2日間寝ることもせずに死ぬ気で勉強した結果が合格点ギリギリだったと聞かされた時には、本気で泣くかと思った。




私立の勉強はかなり難しいらしい。(むしろ私がバカなのか。そうなのか)




どうでもいいと思った。



だって私は、勉強なんてできなくていいのだから。負け惜しみじゃありません。本音です。




私の目的は、







姉の敵討ち……!!













『転校生の高田です』

「あぁ………高田、ね……」


職員室に行くと、担任の先生を紹介された。


私の名前を言うと、職員室の空気が重くなった。


担任の先生は、どこか暗い顔をしていた。



けっどうせお姉ちゃんの妹ってことで鬱陶しがってんだろ。


なんて先生を睨んでいると、先生はその視線を辛そうに受け取り、いきなり俯いた。




「……お前は、高田 幸永の……」

『妹です』


私はきっぱりと胸をはってそう言った。……くそ、やっぱりお姉ちゃんみたいな巨乳がなきゃ様にならないか。



「……すまなかった」

『うえぇ!?』



いきなり謝られたことに驚いて奇妙な声をあげると、みんなが頭を下げていた。



『な、ななな何ですかいきなり!!』

「お前の姉を……高田のことを、助けてやれなかった……」



悔いたようにそう言う先生たちに、私は素直に驚いた。



―――なんだ。

私は、てっきり




私は、『頭をあげて下さい』と言った。


先生たちは、そっと頭をあげた。




『まず、姉が倒れたって聞いて、まず先生たち恨みました。だって、生徒を助ける先生ですから』



私が率直に言うと、先生たちは痛い顔をした。


そんな先生たちに、私は『でも、』と話を続ける。






『―――根っこまで腐ってないんじゃん、あんた達もっ』



それだけが



素直に嬉しかった。




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