頂き物
□お友達(?)と一緒
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お友達(?)と一緒
〜二人の日常生活編〜
十月末にしては暖かい日。
屋上の出入り口の裏側人からの死角。
黙々と仕事を熟す子供。周りに散らかした紙と本。
一つ一つ丹念に確認してはH.A.N.Tに入力。
「…………。」
不意に馴れた気配を感じてH.A.N.Tを制服のポケットに入れ。
壁の陰から顔を覗かせた。
「授業中ですよ、皆守さん。」
扉を開けた途端。
お互いの姿も見ない位置で声を掛けられ立ち止まる。
「…………チッ。」
言いたい事が胸に渦巻くも舌打ちしか出てこない。
眉間に皺を寄せて子供に近付き。
「……………。」
散らばった紙と本を見て溜め息吐く。
「何してんだ、オマエは。」
「お仕事の資料を、纏めてました。」
「部屋でやれ。」
ポヤンと笑い紙と本を退けた子供。
隣に座り一枚手に取る。A4サイズの紙を埋め尽す横文字。
「…………。」
読めるのか?聞くだけ野暮だ。
日本語以外は大概困らないのです、出会った頃に云われた。
日本に仕事で来る事はないから、とも。
あの時はただ聴き流したが。
今ならよく分かる。
レベルに合わないのだ。この国に存在する遺跡の殆んどは。
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