頂き物
□龍に願いを
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「く〜れ〜は〜」
名前を呼ばれると同時、紅葉は龍麻に体当たりをされた。
突拍子もない行動に、紅葉が座っていたソファーが二人分の重みに悲鳴を上げる。
対して。しっかりと龍麻をキャッチした紅葉は、二人きりになると全開で甘えてくる龍麻に笑った。
「どうかしたのかい?」
問い掛ければ、龍麻の口元が綻びる。
「今日の昼は俺が作る。だから、夜は紅葉ね」
少し前に朝食を食べ終えたばかりなのに。
気の早すぎる計画に、紅葉は思わず苦笑した。
「……駄目、か?」
紅葉の苦笑を別の意味に取った龍麻が、残念そうに眦を下げる。
そんな龍麻の髪を梳き、眦に口付けを落としながら紅葉が微笑む。
「構わないけど……?」
暗に、他に望みは?と龍麻を見れば、彼はご満悦気味に抱き付いてきた。
「紅葉と一日中一緒に居られれば、其れだけで良い」
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