頂き物

□お友達(?)と一緒
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危険を命賭けを楽しむ子供の粋狂さは理解出来ないが。

実力は理解出来た。

先刻のように。

影すらなかった此方の気配を何時の間にか察している。

自分とて気配には聡いが桁が違う。



日に日に危険だけが増す遺跡。

この頃では逆にバディの存在が足枷になる事もある。
バディが気付く事はないだろう。
子供が気付かせない限り。



敵として対峙した人間にも真摯に。

「暗い場所から、戻ってきて下さって、良かったです。」

怪我させた事を詫び。

「大丈夫ですね、もう。」

過ぎる程優しく笑い。

自分の事には一切構わない。




ただ穏やかに静かに。

瞳を逸らさず。

言葉足らずな分饒舌なソレに。

監視ではなく。

純粋に目が離せなくなった自分は……


色々な意味で物騒になり銜えたパイプを強く噛む。










「皆守さん?」

呼び戻す声。
誤魔化すように手にした書類を差し出す。
受け取るために伸ばされた手。

何時もなら自分以外に伸ばされる小さな手を。

痕が残る程強く掴む。

掴まれた手と皆守を見比べるも振り払う素振りはなく。

頑是無い幼子に云って聞かせる瞳で。

離す様に促す。


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