大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿39
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どうも万事屋従業員志村新八です。
今万事屋には土方さん、沖田さん、山崎さん、そして人形さんの皆さんがいます。何ですかこのとんでもないメンバーは。

土方さんと沖田さんはソファーに座り、山崎さんはその後ろに立って控えている。人形さんは土方さんと沖田さんの間に座りなぜか縮こまっていた。


「スイーツバイキングは禁止だ万事屋」


妙に殺気立った土方さんが人形さんの頭を鷲掴みにしつつ向かいのソファーに座った銀さんに言う。
銀さんはいつも通り鼻をほじっている。


「あのさー折角人形ちゃんがせっかく自分の好きな物食べれるようになったのにおたくらそれを止めるの?てかスイーツ同盟に茶々入れてくんじゃねーよ。じゃあ何?お前マヨ禁止って言われて止めれるの?」


マヨネーズを引き合いに出されて土方さんは言葉につまった。口ゲンカで銀さんに勝てる人は少ないと思う。あの人屁理屈だけは得意だから。
土方さんが何も言えなくなり、今度は沖田さんが口を開いた。


「そんなこと言わないでくだせェ旦那。人形はあまり糖分を一度に大量摂取できない体質のようでして、今回もかなり体調に支障をきたんでさァ。俺らとしても好きに食べさせてやりたい気持ちは山々なんですがねィ」


沖田さんの言葉にさらに人形さんが小さくなった。よっぽど体調を崩したようだ。というか、いつもドSの沖田さんしか見ていなかったから、今のまともな沖田さんに違和感しか感じない。


「まあ他にも原因はありやしたけど」
「沖田隊長黙っててください!」



小声で何か付け加えた沖田さんと、それに何かつっこんだ山崎さんを土方さんが睨み付けた。


「とりあえずバイキングってのをやめて、カフェのケーキセットとかだったら良いんじゃないですか?」


机に人数分のお茶を乗せながら僕は提案してみる。


「だとよ人形」


土方さんがお茶をすすりながら人形さんに話を振る。人形さんは俯いたままフルフルと小動物のように体を震わせている。


「…ダメ…」
「あ?」
「何でィ」
「どうした人形ちゃん?銀さんに言ってみ」


少しだけ顔をあげた人形さんの目にはうっすらと涙がたまっている。ちょっとその顔は僕には刺激が強すぎます!


「…ガマン、できない……っ!」


ブハアアアアア!
なななななな何ですか今の破壊力!ってかヤバイだろ色々と!


「やべー今のマジでキタわ。人形ちゃんもう一回。今度はその隊服はだけさせて。あと録画させて」
「よし立て人形。おい寝室借りるぞ万事屋」
「土方さん俺も行きまさァ」

「「ちょっと待てェェェエ!!!」」


土方さんと沖田さんに両腕をとられソファーから引き摺られそうになっている人形さん。それを山崎さんがソファーから身を乗り出してしがみ付いて止めている。僕はというとどこからともなくビデオカメラを出した銀さんの左頬を殴った。


「何しやがんでィ山崎」
「入れてやんねェぞ」
「これだから童貞はノリが悪ぃんだよ」


誰かこの3バカエロトリオを止めてくだいー!というか、旅館から何も変わってないよこの人達。


「ちょっと副長!沖田隊長!」


この空間で唯一まともと言える山崎さんが叫ぶ。


「人形の妊娠騒動で大変だったんですからそういうネタ今自重してくださいよ!!!」


え?

「「えええええええ!!!?」」


銀さんと僕の声が響き渡った。





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