大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(8)
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どうも、山崎退です。
俺の相棒人形は今日とてもご機嫌です。
俺達は真選組の中でも監察方と呼ばれる特殊な部隊に所属していて、主に情報収集や現場潜入、ガサ入れの時には裏方など様々な仕事をしています。
まぁスパイみたいものだから、結構深夜に仕事することも多い。
特に俺以上に監察の仕事をしている人形なんかは昼に休憩して夜一晩中出かけてることも。
だから大抵朝は寝てるんだけと…。


「おはよう山崎!」
「お、おはよう…」


俺が布団から体を起こすと元気よく返事された。
俺達は同じ部屋が与えられているから布団も隣同士でひいてあるわけだけど、流石にそのままじゃ色々マズイわけで。主に俺が…。
一応寝るときはお互いの布団の間に軽い欄間が掘られ、襖紙が貼られた木製の仕切りを立てている。
その仕切りの上にニコニコした人形がいるわけだ。

あれ?昨日夜中仕事に出かけてるなかった?


「山崎、朝ごはん食べに行こう」
「あ、う、うん…」


気持ちが悪い。

いつもなら任務明けの朝なんて少しでも音を立てようものなら、それが例え虫が歩くような些細なものでも優秀な人形の耳は拾うわけで…。
途端にクナイの嵐になるわけだ。

お蔭様で俺の潜入能力もあがった。
いいのか悪いのかわかんないけど…。










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