大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(2)
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真選組副長、土方十四郎だ。
気のせいか、どうも俺ぁ監察方の市松人形に嫌われているらしい。

まぁ人形っつえば自他共に認める近藤さん好き…いやストーカー。
この間人形と同室の山崎が部屋から近藤さんのフンドシが出てきたってたれ込んできやがった。


「人形、居るか」
「はいどうぞ」
「入るぞ」


許可をもらって室内に入ると俺の部屋以上にこざっぱりとしていた。
それこそ、どこからが山崎の部屋か境界がわかるくらいに。

座布団をすすめられたのでそこに座る。


「どうか致しましたか?」
「いや、特に何かあったわけじゃあねぇんだが…」
「珍しいですね、副長が私の部屋に」


今の所何か態度が悪いわけではない。
やっぱり俺の気のせいか?


「お茶どうぞ」
「ああ悪いな」


やっぱり気のせいだな。
まさか人形が俺の事を嫌っているなんてそんな、な?


「人形邪魔するぜィ」
「どうぞ」


ッチ、面倒くせぇ奴が来やがった。


「あっれー土方さん、珍しいですねィ。死ねよ」
「おい」
「沖田隊長もお茶どうぞ」
「どうも」


総悟は人形に出されたお茶を飲みこんだ。
だが次の瞬間口元をおさえこんだ。


「うっ…ごほぁ!!!」
「うを!?」
「沖田隊長!」


奴の口元から吐かれる赤い液体。
人形は慌てて駆け寄る。


「沖田隊長!大丈夫ですか沖田隊長!」
「人形…俺ァ、俺ァもうダメでさァ……」
「そんな、沖田隊長…何か私に出来ることはございますか!?」
「…人形に膝枕してもらえたら、俺に悔いはねぇでさァ……」
「おい」
「そんなことぐらいいくらでも!」
「おい。トマトジュース見えてんぞ」









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