大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(21)
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「土方はん、今日はあちきを買ってくりゃしゃんし」
「いいえあちきよ」


むしゃくしゃした鬱憤を晴らそうと吉原に来てみても格子の奥から手を伸ばす女に嫌気がさす。


「うるせぇな」


溜まった紫煙と共に吐き出せば格子の中へと腕は引っ込んだ。

第一、あいつは局長局長っつって問題ばかり増やす。
勝手に近藤さんの私物は盗むは近藤さんがストーキングーするのをストーキングしたり。

あれ?あいつマジでいたくね?

いっそのこと嘘でも一回クビにしてみたほうが熱も冷めるってもんだ。


俺は店の親父に声をかけた。






来た時よりかは幾分すっきりとした気持ちで吉原を後にする。
まず最初に偵察に行った人形の報告からだ。
そう考えて妙に慌ただしい屯所の門をくぐる。


「副長どこに行ってたんですか!人形が、人形が!!!」


山崎が俺の胸倉を掴む。
弾かれたように隊士達を突き飛ばし向かった先には、全身を赤く染めた人形が力無く横たわっていた。











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