大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(20)
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「ごりらー!」
「ちょっと今ゴリラって言ったの誰!?」
「もやしー!」
「ああ!?ちょ、モヤシってそれ銀さんのこと!?」


ハイテーブルからプールの方を見れば局長と旦那が子供達に囲まれていた。


「なんか結局いつもと同じ騒がしさだね人形ー」


隣の人形を見ればカクテルグラスを両手で包んだままこっくりこっくり船をこいでいる。

かかかか可愛…っ!


「銀さんもう怒ったかんね!」
「ぬおおおお!」
「「ブレーンバスター!!!」」

バッシャーンッ


子供相手にブレーンバスターって!
全力すぎるだろあの人達ィィイ!!!


「ゴリ、イェーイ」
「イェーイ!ちょっとゴリじゃないからね!」


子供をプールに投げ込んで満足したのか、旦那がこちらに向かってきた。
局長は自分もプールの中に入って遊んでいる。


「あ?人形寝てんの?」
「あ、はい。昨日あまり寝れなかったみたいで」
「…まあ、な…ハハッ」


旦那は昨日の恐怖を思い出したのか顔を引き攣らせて笑った。


「しゃーねぇな」


旦那は高い椅子から人形を抱き抱えると、静かに横のソファーへと横たえた。

体をすぼめて丸まる人形を俺達は顔を見合わせる。
局長も戻ってきた。


「なんだ人形は寝たのか」
「ったく、安心しきった顔しやがって」
「やっぱ可愛いわ人形ちゃん」
「まぁそっとしておきましょうよ」


人形の向かいのソファーに旦那が座る。
副長と俺はそのままハイテーブルへ。
局長はその傍らに。


「山崎ー生4つ持ってこい」
「はいはい」


眠る人形を見つめながら俺達はお酒を楽しんだ。









END
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