大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(16)
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『おいでませ、忍の里』


そう書かれたアーケード。
俺は覚悟して、監察の忍装束まで着込んで来た自分に飽きれた。


「さ、何してるんですか皆さん、行きますよ」
「何だかワクワクするな!」
「土方さんその腕に抱いてるおもちゃちょっと貸してくだせェ。いや、ぷちっとはしませんぜ、ぷちっとは」
「絶対ェ渡せねぇ」


普通のリアクションの山崎。
当初の目的から外れてきている近藤さん。
出掛けに見付かりなぜかついてきた総悟。


「忍の里ではまず里長に挨拶をして滞在許可をもらうのがしきたりです。里長のところに行きましょう」


俺達はアーケードをくぐり一歩進んだ。


シュタッ


「ようこそ忍の里へ」
「はい並んで並んで〜」
「「チーズ」」

パシャッ

「「さらば」」

シュタッ


何だったんだ今のは。
いきなり全身を、それこそ頭巾まで被った忍装束の男達が現れたと思ったらアーケードの前に並ばされ、一人はカメラのシャッターを押し、一人は一緒に並び俺の肩を抱いて去っていった。

なんなんだこの里は!?


「さ、行きましょう」
「動じねぇお前がすげぇよ山崎」










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