大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(16)
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黒ずくめの軍団を追い払い、再び3人で人形を見る。
一見与えられた仕事しかしてねぇように見える人形が実はめちゃくちゃ色んな仕事をしていたのはよくわかった。
ちなみに、何とかして人形を元に戻さねぇと仕事が回っていかねぇことも。


「山崎なんとかなんねぇのか」
「無理ですよー。人形の忍び里はめちゃくちゃ敷居高くて有名なんですから。忍として里に一歩入れば出る時は超エリートになってるか、肉体だけになっているかのどちらかですよ」
「ほー人形はやっぱりすごいんだな」
「俺が教えてもらった術も人形にしたらめちゃくちゃ簡単なものですよ。それですら満足に使えるようになるのにかなり時間かかったんですから、俺に今の人形を戻すことはできません」
「トシお前ばかりずるいぞ。俺にも抱っこさせてくれ」


再び近藤さんの腕にさらわれる人形。


「あ!ずるいですよ局長!」


次に山崎にさらわれる。


「おいおい、たらい回しにすんじゃねぇよ」


再び俺の腕に入れる。
すると眠っていた人形がむずむずと起き出した。


「あ、きゃふう!ま、ま」
「ご飯!ご飯ですよ」
「待て待て今なら母乳が出る気がする!」
「教育的配慮ー!!!」
「ごふぅっ!」


上着を脱ぐどころかスッポンになり始めた近藤さんを山崎が渾身の力で殴った。
俺は人形を抱き込み汚いものがみえないようにする。


「とにかく、この人形を元に戻すのは人形と同じかそれ以上の能力をもった人物です。ってことで行きましょう」


瞬間、山崎は隊服から黒い忍装束へと変わる。


「人形の生家、隠れ忍の里へ」











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