大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(15)
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いや、あのですね…結果から言えば

『やるんじゃなかった』

の一言なんですけどね。


人形さんを励ますつもりで近藤さんのお見合いを見に行ったんですけど、ホラ、人形さんと近藤さんとがくっついてくれれば僕としても安心ですし。
近藤さんのお見合い相手、またいつも通り普通じゃない相手かと思いきや

普通に可愛かったんですよ。


「あの、人形さん、あの子確かに可愛いですけどちょっと近藤さんには若すぎますし」
「そうね…私もう四捨五入したら三十路のおばさんだね…」


違ェェェエエ!!!
そういうことじゃなくて!


「マミーの方が美人アル」
「私にはあんな可愛いらしいお着物着れないわ…」


神楽ちゃんが酢こんぶをかじりながら言ってもスルー。
何とか地の底に張り付いている人形さんを励まそうとしてもどれも逆効果だ。


「まぁまぁ人形ちゃんそんなに落ち込まないでよ」


ニヤニヤ笑いながら近づく銀さん。
コイツ、録でもないことしか考えてないな…。


「確かにゴリラは腐っても幕臣だし、それなりの家の娘娶んにきゃならんよ」

ズーン…

「私なんて、家柄も身分もないちょっと呪いかけるのが得意なただのくのいち…」


銀さぁぁぁあん!アンタ何傷えぐってんだァアア!!!
しかもちょっと呪いかけるのが得意、ってソレただの女じゃねぇよ!!!


「でもー銀さんはー身分も家柄もないし、モテないから人形ちゃん一人愛し抜けるし」


全っ然威張れることじゃねぇ!
アンタ何得意げに顎に指あててんだ!


「どうよ人形ちゃん、試しに銀さんと付き合ってみない?」


最っ低だこの人!
狙ってた女がフラれたからって慰めるふりして横取りするパターンだよ!

人形は顔を歪めて泣き出しそうな顔をしていたが、静かに首を縦に振った。


「っしゃー!!!」
「銀ちゃん最低アル」
「エェェエエ!?」


付き合っちゃったよ、この人達…。












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