大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(13)
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この下町に住むこと早一週間。
人形のフォローもあり、どうやらドジで頼りない夫と美人で器量よしの妻で俺達は受け入れられたようだ。


「それじゃあ行ってくるよ」
「気をつけて行ってらしてくださいね、あなた」


何か、いいなぁ……。


「よ、見せつけてくれるねぇ山崎さん」
「川崎です…」
「そうだったか?ま、どっちでも変わんねーよ」
「いや、変わりますから」


本名だし。


「にしてもどうやってあんな女ゲットしたんだ?俺にも教えてくれよ」
「そうだそうだ。俺ぁアンタが心底羨ましいよ」


なんか、かなり、気分いいかも。


「そういやぁ、山崎さんアンタ庄屋さんの息子さんとこの工場で働いてるそうじゃねぇか」
「はい、確かにそうですけど…」
「あそこは辞めたほうがいいぜ」
「ああ、何でもヤバい何かがあるらしいぜ」
「庄屋さんも一枚噛んでるって噂だぜ」


これが、ここに住んだ理由だ。
火のない所に煙は立たずってね。










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