大江戸監察事件簿
□大江戸監察事件簿(2)
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手を伸ばしたその先で無情にも閉められる襖。
「ふ、ふふふふ…ふふふふふ………」
やばい。
「か〜ごめ〜か〜ご〜め〜……か〜ごのな〜かの〜と〜りぃは〜………」
こ、怖ェェェェ!!!
「いや…赤い……死…土方……呪……」
ちょっと待てえええ!
今明らかに土方っつっただろうが!
「土方さん、安心して成仏してくだせェ」
「出来るか!!!」
「ならせめて髪の毛数本くだせェ。あと出来たら藁も」
「完っ全に呪う気じゃねぇか!」
俺と総悟が言い合いをしているうちに人形はいきなり目の前で着替えを始めた。
「やりましたぜ土方さん。生ストリップショーでさァ」
「人形何やって…!」
目の前に白い肌が浮き上がる。その豊満な体に思わず見入ってしまった。
「必要なものは…蝋燭と、木づち…鏡…櫛……藁人形………呪う相手の一部………土方の、髪の毛……」
「オイイイイイ!!!」
「人形、襦袢でさァ」
肌と同じように真っ白な襦袢を来た人形はそれはそれは見事な死装束……って、違ェ!!!
「おしい!丑三つ時にはまだ半日近くあるぜ!」
「大丈夫です…生贄を捕まえてきますから……」
「頼むからやめてくれ!近藤さん呼んでやるから!」
「局長!!!」
何とかその場は取り押さえたが、最近妙に体がこるのは単なるプラシーボ効果だと思いたい。
END