大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿39
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「はいでは今からあそこのドラッグストアでゴムを買ってもらいまーす。一番違和感なく自然に買えた人が優勝でーす。自然に見せるためならゴム以外も購入OKでーす」
「まあ楽勝だな」
「優勝は俺のもんでさァ」


何でアンタら乗り気なんだァァァ!!!


「ちょっと山崎さんも何か言ってくださいよ!」
「新八君下手に逆らうより、さっさと従ってさっさと済ませた方が早いよ。それに、今回はそこまで無茶な内容じゃないしね」


無茶な内容じゃないって、そんな!山崎さんは僕の味方だと思っていのに!


「や、山崎さんは平気なんですか?」
「まあこの中では一番年長者だし、もうそれくらいでヤキモキする歳でもないよ」


えー!?そうなのォォォ!!?銀さんが大体20代後半だから、え、山崎さんそんななの!?


「そんでもって人形ちゃんも参加してもらいまーす」
「女性に何させようとしてんだアンタァァァ!」


銀さんが人形さんの肩を抱く。


「わかってねェな眼鏡」
「人形がゴム買うところが目の前で見れる絶好のチャンスでさァ」


人形さんが、あの、その、そういう目的のゴムを…。ウワアアアアアア!!!


「ぼ、僕には刺激が強すぎます!」
「ほーん。お前さっき一人で買えるっていってなかった?これだから童貞は」
「だから童貞童貞言うなー!!!わかりましたよ!買ってこればいいんでしょ!?」


こ、こんなものちゃっと行ってちゃっと買ってこればいいんだ!


「じゃあ俺から行きまーす」


そんな中さっさと終わらそうとしている山崎さんが立候補した。
僕たちも山崎さんと共に店内に入り、あまり目立たないところに位置する。

山崎さんは普通にそういうコーナーに行くと、長すぎず短すぎない時間吟味して小箱を手に取った。その後食品コーナーであんぱんと牛乳を手に取るとレジに向かった。


「おまたせしましたー」


小さな袋を下げて帰ってくる山崎さん。お、大人だ!いかにも自然だった!


「やるなジミー」
「監察の仕事も板についてきたじゃねェか」
「それ監察の仕事バカにしてるだろー!」


人形さんは袋をのぞき込み、あんぱんちょうだいなんて言っている。あれ?もう僕がおかしいの?


「じゃあ次は俺が行きまさァ」


沖田さんは片手をあげて出発する。
そのコーナーで小箱を手に取ると、今度はしゃがみこんだ。


「クソッ総悟の野郎やりやがった」
「とんでもない強敵だぞありゃあ」


立ち上がってレジに向かって歩き出す。その手には、小箱と、何かボトルのようなもの。


「総悟のヤツ、新発売のローションもついでに買いやがった」


何だってェェェエ!!!


「ああ。そしてあれは温感タイプだ」


銀さんー!なんでそんなに目ざといんですか!アンタ視力いくつですか!
そんなことをやっている間に沖田さんはレジで会計をしている。


「あ、あとバ○ブありやすか?」


沖田さァァァん!!!
もう自然と言うか、大自然だよ!木を隠すには森の中だよ!確かにローションとバ○ブ一緒に買ったらゴムなんて存在薄くなるよ!

こちらに戻ってくる沖田さんに後光がさしている。


「良くやった総悟」
「敵ながらあっぱれだったぜ」
「ありがとうごぜェやす旦那。さ、次は眼鏡でさァ」
「え!?僕ですか!?」


沖田隊長がこちらを振り向き、僕は思わず眼鏡を挙げた。集まる男たちの視線に、僕は逃げられない運命を悟った。





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