大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿39
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「なるほどねーなんつーか笑えるというかマヌケと言うか」
「それは、何というか、大騒動でしたね…」


その後土方さんと沖田さんにぼこられた山崎さんが事情を簡単に説明した。
今神楽ちゃんが定春の散歩でいなくてよかった。こんな爛れた大人たちの会話生々しくて聞かせられないよ。


「どーりでお前らが無駄に必死こいてスイーツバイキングやめろって言ってたわけね。で、人形ちゃんはこんなにちっこくなってるのね」


また小動物のようにプルプルと震える人形さん。普段の大人な女性とはちがう雰囲気に、自分の顔に熱がたまるのがわかった。


「コイツ俺らが何言ってもちっとも堪えてなかったからな」
「近藤さんにガチで説教してもらいやした」
「ごめんなさい…」


それはまあ、人形さんがこうなっている理由もわかる。色々な意味で命をかけている近藤さんにガチで説教されたからショックがでかいんだろう。


「つーかもっと冷静に考えられなかったのかねぇ。大の大人が寄って集まって何やってんのよ。ゴム買うのためらう童貞でもあるめぇしよ。なあ新八」
「え!?ええ!?」


いきなり話を銀さんにフラれてかなり動揺してしまった。というか冷静な判断と童貞は関係ないだろ!!!


「あ、ごめーん!新八君は一人でゴム買いに行くこともできない純情童貞少年だったわ」
「今童貞関係ないでしょうが!てかゴゴゴゴゴムぐらい一人で買えるわ!」


勢い余って言ってしまった一言に、銀さんがにやりと笑う。
というか僕は女性の前でなんてことを人形さんを見るときょとんとした顔で僕を見ていた。あああああ穴があったら入りたい。


「ほう眼鏡はちゃんと一人でゴムが買える大人な男だと」
「へーそりゃ見事なもんですぜィ。ご教授願いまさァ」


あんたらゴムにこだわりすぎだろォォォォ!
僕は赤くなった顔をごまかすためにお茶を飲む。動揺して湯呑からお茶がべしゃべしゃとこぼれる。

パンパンッ

なぜか銀さんが手をたたいて立ち上がる。


「ハーイというわけで、ゴムをどれだけ自然に買ってこれるか選手権開催ー」


どんな選手権だアアアアアア!!!





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