大江戸監察事件簿
□大江戸監察事件簿29
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どうも引き続き山崎です。
監察方のみんなのおかげで何とか人形を守り抜き、なんだかんだやっているうちに夜の時間が訪れた。
そう、恐ろしい宴会の時間です。
「山崎ー宴会だねー」
「そうだね人形」
「楽しみだねー」
「そうだね人形」
「いっぱい呑もうねー」
「そうだね人形」
だめだ。
お風呂からのわずかな時間では人形を通常モードに戻すことはできなかった。
しかも今は部屋に備え付けてある浴衣を着て無駄に色っぽいし可愛い。
ああーこの状態で宴会とか自殺行為じゃん!
とにかく、人形から離れないようにしよう!!!
廊下を歩きながら心にそう誓う俺。
気分はサバンナの草原で生まれたてのシマウマを守る母ウマの気分だ。
宴会場はすでに大勢が集まって、俺と人形は入口で今日の幹事チームとなった隊員に声をかけた。
「お疲れ様ですー」
「おつかれさまです!」
「お!ザキに人形お疲れー」
俺に続いて受付係に敬礼する人形が可愛い。…っじゃなくて!
真選組の宴会の幹事は部隊ごとの平隊員で持ち回りだ。
今日は二番隊か。
「監察方の座席は手前?」
受付の名簿に二人分の○をつけつつ、なんとなく聞いてみる。
「いや、局長が無礼講でいいってな。今日の席順は隊ごとじゃなくてクジ引きだ」
ホレ。とクジらしき白い紙が入った袋を突き出される。
引けってことだろうけど…。
くじぃぃぃぃ!?
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