大江戸監察事件簿
□大江戸監察事件簿(25)
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どうも。山崎退です。
風呂からあがった俺達を待っていたのはいつも通りタバコをくわえた副長だった。
濡れた俺達の姿を見つけると火を揉み消す。
「人形山崎、追跡ご苦労だったな。取り調べだ」
副長と3人で取り調べ室に行けば、前室のモニターでは手錠で繋がれた桂が椅子に座っている姿が上部から写されている。
「人形行け」
「はい」
人形が中に入り、やがてすぐにモニターにも現れた。
入口側の椅子に座ると二、三桂と何か喋っている様子が見受けられる。
しかし声は聞こえない。
「あれ?副長音声が」
「入ってないな」
ミキサーとリモコンを操作していると気がつけば映像では人形が桂を顔面から机に叩きつけていた。
「山崎」
「はい?」
「あいつ最近総悟に何か仕込まれたか?」
「いえ、局長のための自己啓発の賜物です」
やっぱり副長も感じていたか。
人形の女王様オーラ。
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