大江戸監察事件簿
□大江戸監察事件簿(24)
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人形のスピード狂のおかげか、やがて前方に先程見た白い軽トラックがあらわれる。
「こちら監察方山崎退!指名手配中の攘夷派テロリスト、桂小太郎を発見!ただ今ターミナル前大通りを逃走中!逃走車は白の軽トラック、ナンバーは確認中!同じく市松人形と追跡中です。応援お願いします!」
『こちら屯所原田が受けた!すぐに応援を送る!』
パトカーではないため、無線ではなく持っていた携帯で屯所に連絡する。
これで見回りに出ていたパトカーがすぐに応援に駆け付けるだろう。
「人形もうすぐ応援が来るからこのまま追跡して」
「代わって山崎」
「は?」
「運転代わって」
この状況で何いってんの!?
「はい、せーの」
「ちょっと待てェェエエ!」
何とか前後入れ代わってハンドルを握った。
俺今冷や汗半端ないんですけど!
「心中する気かァァアア!」
「山崎加速。トラックの後ろにつけて」
「無理!これ以上の加速は無理!」
「無理でもやる!はいアクセス緩めてギア一つ落として!」
「やめてえええ!!!」
全力で拒否する人形は後ろから俺に密着すると耳元で囁いた。
「山崎お願い…私の大事な相棒」
ちっくしょお!
嵌められてるってわかってるけど!わかってるけど!
「男って単純なんだよォォオオ!!!」
カチッ ブオオオオ…
カチッ
「ありがと山崎!」
「言っておくけどエンスト起こさなかったのは奇跡だからね!あと今更だけど思いっきり胸あたってるからね!」
「本当に今更ね…ま、後ろ30メートルまで近づけたら一回ぐらい揉ましてやるから」
「お前俺のこと馬鹿にしてるだろ!」
と、言いつつも加速する俺ってなんだろう…。
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