大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(23)
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あーどうも。泣く子も黙る凄腕忍者、服部全蔵だ。

俺は今注文があったピザの配達に来ている。
今日の配達先は珍しいことに、あのチンピラ警察と囁かれる真選組だ。

さあこの屋根をおりれば目の前…


ドンッ


「あれ銀さーん。何かあたりました〜?」
「あー?どうせ音の壁だろ。何たってマッハ出るからこの原チャ」


なぜ毎度毎度あいつはっ…!!!

しかし今は配達が先だ。一分一秒でも遅れてはいけない。




「すみませーん。ピザの宅配に参りましたー」
「あ、はーい。今行きます」


門番に礼をして中に入れば奥から聞こえてきたのは若い女の声。
女中だろうか?


「お待たせしました。ご苦労様です」


開け放された廊から備え付けの草履を履いてこちらにやってくる女。
長い髪を流れるままに流し、小走りでやってくる。
やはり女中か。しかし何とも愛らしい女中もいたもんだな。


「しめて3250円です」
「はい、ありがとうございます」


釣りのないように、しかも受け取りやすいようにピザを受け取ってからお金を渡され、その小さな気遣いに頬が緩む。

何ともいい気分で帰れそうだ。
だがその時。


「おいてめぇちょっと待てやゴルァ」



はい?









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