大江戸監察事件簿

□大江戸監察事件簿(17)
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「可愛い〜人形ちゃん超可愛い〜これあれだよね、もうすぐ師匠って呼ぶよね〜。手塩にかけた人形ちゃんがようやく使えるようになったかな〜?と思ったらいきなり江戸に行くって言い出してそりゃ反対したよ。あれだよあれ、娘嫁に出す気分?」
「やぁ〜ん〜やぁ〜」
「目茶苦茶嫌がってますけど」


自称人形の師匠は無理矢理人形を抱きしめほお擦りやらキスやらを繰り返す。


「君達目障り。ってことでバイチャ!」


おっさんが掛け軸の右の文鎮を引く。


パカッ


開いた。
俺達の真下の畳が開いた。


「落ちてる!?ねぇ俺達落ちてるよね!?トシ落ちてるよね!!?」
「落ち着いてくれ近藤さん!」
「やりましたぜィ土方さん!これ落下した先は剣山ですぜィ!」
「喜んでる所水さして悪ぃが刺さるのはてめえだぞ総悟」
「たたたた助けて土方コノヤロー!」
「だから落ち着け!」


下を向けば総悟の言う通り白い剣山が覗く。
流石に焦った俺は背中の剣を抜いた。が。


「抜けねぇ!」


忍者刀とは違う普段から使う普通の刀を背中にさしていたため刀のしなりが邪魔をして抜けない。
やべぇ…。


タンタンタンッ

「掴まって下さい!」


頭上にいた山崎がクナイを3本俺達が落ちてる竪穴の壁に投げ刺す。


「くっ!」


何とかクナイに掴まり串刺しは免れた。


「そこの横穴から中に入って下さい」


山崎の言う通り薄暗い中ではあるが確かに横穴があった。
山崎が頼りになってやがる…。

反動をつけて横穴に入ると総悟も同じようにやって来た。
すでに山崎は火種を作り松明をたいていた。


「あのクソ酔っ払い…」
「とにかく、上へ向かいましょう」
「流石忍者の里ですぜィ。ワクワクの仕掛けだらけでさァ」
「おおおい!助けてくれェェエ!!!」


叫び声に気づいて上を見上げればフンドシがクナイに引っ掛かった近藤さんがぶら下がっていた。


「早く助けてくれ!フンドシが食い込んでなんか違う扉開けちゃいそう!なんか気持ちよくなってるから俺ェェエエ!」
「行くぞー」
「さっさと人形取り返しましょうや」
「こっちです」
「待ってェェエエ!!!」












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