大江戸監察事件簿
□大江戸監察事件簿36
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どうもー。万事屋銀ちゃんこと坂田銀時でーす。
俺は今真選組屯所に電話をかけている。目的なんて一つしかないけどね!
依頼だとか何だとか言って誤魔化して待機中の人形ちゃんに繋いでもらうことができた。
『もしもし?』
「あーもしもし人形?愛しの元カレ銀さんです。どう?そろそろヨリ戻す気になった?」
『死ね天パ』
「だー待った待った!」
久しぶりに聞いたはっきりと通る声が一瞬にしてマグマの如く火を噴いたため、俺は慌てて弁解する。
「あのさー駅前のスイーツバイキングやってるカフェあんじゃん?あそこがさ、今カップル限定であんこフェアやってんのよ」
『それで?』
「お願い人形ちゃん!銀さんと一緒に行ってくんない?」
電話ごしで見えるはずもないのに俺は思わず片手を立てておねだりのポーズをしてしまった。
『神楽ちゃんと行けば良いじゃん』
「バカヤローあんな大食い娘連れてったらあんこが俺の口に入る前に店が潰れるわ。なんならその前に通報されるわ」
『ならお妙さんは』
「お前それ本気で言ってんの」
あんなゴリラ女とカップルなんざ、例えフリでも死んでもゴメンだ。
『さっちゃんさん』
「お前そんなに俺のこと嫌いだった?」
メリメリメリ
「銀さぁぁぁん!私ならいつでも大歓迎よぉぉぉぉ!」
「うっせぇ雌豚!勝手に屋根裏登ってんじゃねェ!あと天井の修理代置いて消えろ!」
天井を突き破って降ってきた雌豚を避け、床に落ちた瞬間片足で踏みつける。
「ぁぁぁん!イイわ銀さん!もっと!もっと強く踏んでちょうだい!!!」
というか、ぜってー盗聴してただろお前!
『ねー山崎ー』
『なにー?』
『何か私今電話で銀さんとさっちゃんさんのSMプレイの中継を聞かされてるんだけどこれってどういうこと?』
『切れば?』
『だよね』
「オイィィィィ!誤解だから!SMとかじゃなくてただのゴミ掃除だから!銀さんがSMプレイしたいのは人形ちゃんだけだから!緊縛プレイとかどう!?」
こいつはただの変態ストーカー女であって何の関係もないからね!?てかジミー切れば?とか辛辣すぎでしょ!お前ツッコミキャラでしょ!何やってんだ万事屋の旦那ー!とかじゃないわけ!?
『えっと銀さん』
「え?何?銀さんどっちかというと縛られるより人形ちゃんを縛りたい方なんだけど」
『迷惑防止条例違反ってことで良い?』
心底不憫そうな声やめてェェェ!
「というか人形ちゃん」
『何もう切るよ』
「俺この間旅館で人形ちゃんを守るために頑張ったんだけどなー」
自分でも最高に悪どい顔をしているのがわかる。足元で雌豚がその顔堪らないわとかほざいているので両足で乗っといた。
『………来週の火曜日なら夜勤明けだから』
しゃあああああ!!!
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