裏文章
□酒席での戯言〜清三の場合〜
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今晩はここ、豊臣学寮に大人の姿は無い。
定例の飲み会に行っているからだ。
秀吉様とおねね様が飲み会に行かれるこの日は俺達子供も、羽目を外して酒を飲んでも許される日だ。
おねね様に頼まれて、俺がこの協調性皆無の奴らをまとめる。
｢清正、うちのこと頼んだよ｣
そう敬愛するおねね様に言われたが、今日はあることを実行に移そうと企てている。
それにはまず正則が邪魔だ。正則にどんどん酒を突っこむ。
正則はザルの類の人種だが、テンション上げてやるとすぐ疲れて寝る。
さっさと正則を寝かそう。
すると宗茂も便乗してきた。正則のコップに酒を並々注ぐ。
｢正則、お前は酒が強いな。酒が飲めれば大人だな｣
そう言って正則を煽る。 宗茂と目が合えば、いつも女をノックアウトさせてるキラキラした笑顔を向けられた。
…こいつ同じこと企んでやがる。
そんなこととは露知らず、ギン千代は酒を飲み、酒が飲めない三成は茶を飲んでいる。
俺も十分いかがわしいことをするつもりだが、立花は別のいかがわしさがある気がする。
そんな事を考えている間に正則が撃沈した。正しくは宗茂が撃沈させた。
宗茂に手伝わせて、正則を部屋まで運ぶ。
図体でかい正則を引き摺りながら宗茂に訪ねる。
｢お前…ギン千代にそういうことはしないんじゃなかったのかよ｣
｢ああ、そういう約束をしてたんだが、反古にしてしまったからな。ギン千代が嫌がってなければ問題無い…何を想像したんだ？清正｣
思わず顔が赤くなった。
｢まあ何はなくとも協力しあおう。目的は同じだからな。俺はさっさとギン千代を部屋に持って帰る｣
｢ああ、見なかったことにしといてやるよ｣
俺は数時間後には横にいる風神に喰われるであろうギン千代に、心の中で謝った。