短編

□失礼
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「あつい」


「何が?」


「モノじゃないよバカ!」


「なっ、バカとはなんだ!俺に失礼だ狼牙!」


「ひくわー」


「は?」


「俺に失礼とか言わないでよキモい」


「キモいの方が傷付いた」


「そっかー良かったね」


「良いわけねぇだ狼牙!」


「ふーん」


「で、何があついんだ?」


「だからモノじゃなくて、気候だよ。むし暑い」


「そうか?」


「…ジャブラにはわからないんだね、そっかそっか、ほぼ半裸と同じ状態だもんねー」


「ほぅ、そんなにイケメンか!」


「言ってない」


「照れなくてもいい」


「別に照れてないんだけどさ、そんなに筋肉見せたいわけ?」


「Σはっ!」


「ん?」


「おま、そんなとこ見てたのか…!」


「は?」


「照れるだ狼牙!」


「キモい」


「照れ隠しか」


「違うし」


「で、正直俺と話す時はどこらへん見てんの?」


「えっと…」


「Σ見てたのか!?」


「そんなわけないでしょ」


「う、騙された」


「ジャブラだって人を騙すことあるでしょ?」


「あるなァ」


「長官あたり?」


「そうだ!」


「…うわー最低」


「えぇ!?でも、おまっ」


「仮にも上司だよ?」


「そ、それは…」


「まぁ騙される方も悪い」


「はっ、そ、そうだ!」


「でも騙す方が悪いよ」


「う…」


「まァこんな話はどうでもいいとして、この暑さなんとかしてよ」


「いやいや、どうでもいいってのはどうかと思うけどよ…俺は天候を操れるわけじゃねぇし暑さはどうしようもねぇよ」


「ジャブラのバカヤロウ」


「Σ俺が悪ィの!?」


「ガーデニングなんかするヒマがあるのなら涼しくする方法でも考えろ」


「(…上から目線だなァ)」


「黙れ!」


「Σ何っ!?心の中読まれた!」


「何?」


「い、いや…」


「でもさ、ジャブラの部屋って他の部屋と違って涼しいんだよ?」


「そうなのか」


「なんで?」


「な、なんでって言われてもなァ…」


「あ、そっか…ほぼ半裸だからわからないんだったね」


「ちょ、おまっ…」




















だから失礼だ狼牙!


(恥ずかしくないの?)

(俺、男だしなァ)

(…そうか、そんなに見せたいんだ!だから胸板とか腹筋とかカッコいいんだねっ!)

(へ?カッコいい!?)



 

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