長編

□体育祭と恋敵1
1ページ/4ページ




6月といえば体育祭


「再来週の土曜は体育祭だ
今日の2時間のHRは種目決めするから……後は体育祭委員よろしく〜」


そう言い残しさっさと出ていった担任


「あいっかわらずやる気ないな、あの担任」

「あのやる気のなさが案外楽なんだぜぃ

隣のクラスとか熱血教師だかんな」

「あー、確かにそれよりはいいね」


どーでもいい話をしてるのは、隣の席の丸井ブン太

なんと家までもが隣同士なんだ、嬉しくないけど


「お前さん達は何の種目に出るんじゃ」

「んー…どうしようかなぁ…」
「んー…どうっすっかなぁ…」


あ、なんかこのはもり久しぶり

ブン太を見ると頬杖をついて、私と全く同じ格好をしてた

その表情は当初と比べれば、かなり優しくなったと思う

あの時はちょっとはもっただけですぐ言い合いしてたからなぁ


「仁王は何でんだよぃ?」

「楽そうなやつに出るなり」

「仁王らしいね」


黒板にどんどん書かれていく種目


50m走、100m走、玉入れ、借り物競争、綱引き、仮装リレー、二人三脚…


「じゃー、めんどいからちゃっちゃと決めてくぞー!」


司会進行の体育祭委員が仕切る

ていうか、あんたもめんどくさいんかい



それから30分


女子全員→女子リレー、

男子全員→男子リレー、騎馬戦

丸井→二人三脚(ペア新倉)、借り物、100m走、色別リレー

新倉→二人三脚(ペア丸井)、障害物、100m走、色別リレー

仁王→50m走


「ちょっと待てぇぇ!!」
「ちょっと待てぇぇ!!」

「お、息ぴったりじゃの、お前さんら」

「何で仁王1種目なんだよ!」

「というか、何で私達こんな多いわけ!」

「何で二人三脚のペアがこいつなんだ!」

「それはこっちの台詞!」

「新倉と丸井は運動神経いいからな、活躍してもらうぞー」


はいけってーね、おしまい
と種目表に名前を書いて、私とブン太の文句も聞かずHRが終わった





「二人三脚か……」

「ペアになっちゃったのは納得いかないけど、なったからには全力で勝つからね!」

「もちろんだぜぃ!!
足引っ張んなよな〜」

「分かってるし!
とにかく、1位とろうね!」

「おう!」


ブン太が拳を出してきたから、私もそっと拳を出す

………ブン太の手、おっきいな

そう思いながらブン太と拳をコツンとぶつけあった

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ