長編
□体育祭と恋敵1
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6月といえば体育祭
「再来週の土曜は体育祭だ
今日の2時間のHRは種目決めするから……後は体育祭委員よろしく〜」
そう言い残しさっさと出ていった担任
「あいっかわらずやる気ないな、あの担任」
「あのやる気のなさが案外楽なんだぜぃ
隣のクラスとか熱血教師だかんな」
「あー、確かにそれよりはいいね」
どーでもいい話をしてるのは、隣の席の丸井ブン太
なんと家までもが隣同士なんだ、嬉しくないけど
「お前さん達は何の種目に出るんじゃ」
「んー…どうしようかなぁ…」
「んー…どうっすっかなぁ…」
あ、なんかこのはもり久しぶり
ブン太を見ると頬杖をついて、私と全く同じ格好をしてた
その表情は当初と比べれば、かなり優しくなったと思う
あの時はちょっとはもっただけですぐ言い合いしてたからなぁ
「仁王は何でんだよぃ?」
「楽そうなやつに出るなり」
「仁王らしいね」
黒板にどんどん書かれていく種目
50m走、100m走、玉入れ、借り物競争、綱引き、仮装リレー、二人三脚…
「じゃー、めんどいからちゃっちゃと決めてくぞー!」
司会進行の体育祭委員が仕切る
ていうか、あんたもめんどくさいんかい
それから30分
女子全員→女子リレー、
男子全員→男子リレー、騎馬戦
丸井→二人三脚(ペア新倉)、借り物、100m走、色別リレー
新倉→二人三脚(ペア丸井)、障害物、100m走、色別リレー
仁王→50m走
「ちょっと待てぇぇ!!」
「ちょっと待てぇぇ!!」
「お、息ぴったりじゃの、お前さんら」
「何で仁王1種目なんだよ!」
「というか、何で私達こんな多いわけ!」
「何で二人三脚のペアがこいつなんだ!」
「それはこっちの台詞!」
「新倉と丸井は運動神経いいからな、活躍してもらうぞー」
はいけってーね、おしまい
と種目表に名前を書いて、私とブン太の文句も聞かずHRが終わった
「二人三脚か……」
「ペアになっちゃったのは納得いかないけど、なったからには全力で勝つからね!」
「もちろんだぜぃ!!
足引っ張んなよな〜」
「分かってるし!
とにかく、1位とろうね!」
「おう!」
ブン太が拳を出してきたから、私もそっと拳を出す
………ブン太の手、おっきいな
そう思いながらブン太と拳をコツンとぶつけあった