長編

□双子越前セット
1ページ/1ページ



「…なんでこうなるかな」


ブレザーではちまきの俺と


「私に聞かないでよ」


チアガールの花


「オチビと花ちゃん似合ってるよー!」

「おう!チアガールいいな!」


「桃先輩、なんか視線がイヤらしいですけど」


まぁ桃先輩が見るのも無理はない

花はミニスカにポンポンで腹が見えてる

っていうか絶対スカート短い


「俺ら応援してろよー!その格好で!」

「これなんかスカート短くないですか?

一応下は履いてるけど、私足太いからイヤだなー…」


くるぶしの白い靴下を履いている花

ほどよい筋肉質な細い足、俺嫌いじゃないんだけどな


…………なんか今俺変態っぽかった


花がその場でくるっと回った

うっわ、めっちゃ見えそうだし………


「ま、まぁ
その格好のほうが俄然俺達の気合いが入るってね!」


そうヘラヘラ笑ってる英二先輩も少し顔が赤い


今さらだけど何で俺と花、その他1年がこんな格好してるかというと

2週間後の体育祭で着るから。

なんか部活対抗リレーっていうのがあるらしくて、2、3年が出るらしい

んでその応援のための衣装なわけ。


「…というか、その前に私、女子テニス部なんですけど!」


花が今さら気付いたかのようにつっこむ


「クスッ、いいじゃない
双子越前はセットで」

「そうそうっ
2人はセットね!」


「…リョーマ、セットにされた」


「……ほんっと、都合いい時だけ双子ってことプッシュするよね」


うちの学校の先輩はめんどくさい

「ん?何か言ったかい?越前兄」

「……なんでもないっス」


心読まれた


「リョーマ、こっち向いて」

「何?」


じーっと俺を見てくる花

でかい目で見てくるから目がそらせずそのまま俺も花の目を見る


「普段学ランばっか見てるからブレザーリョーマも新鮮でいーね!」

「……花もね」

「はい!そこの双子!
写真取るから並んでー!」


いつの間にか写真を持ってた英二先輩

どこから出したんだろうと気になってる俺を余所に並べ並べうるさい

俺と花は文句を言うことなく隣に並ぶ

どうせ何を言っても結局は写真を取る羽目になるとなんとなく想像できたから。

多分、いや絶対
花も同じこと考えてる


「にしても、リョーマって小さいよね」


ふと花が放った言葉

俺を怒らせるには充分な言葉だった


「自分だって小さいじゃん」

「私は女の子だからいいの!」

「頑張ってお腹引っ込ませてるくせによく言うよ」

「普通だもん!
力抜いてこれだし!」

「どうだか
こっち来て少したるんでるんじゃない?」


ムッと眉間に皺を寄せた花

あ、怒ったかな


「リョーマこそ!
弱くなったんじゃない!?

昔はよく私に負けてびーびー泣いてたよね!」

「相当前じゃん、それ

俺が弱くなった?

そういうのは試合してから言ってくれる?」

「泣かしてやる!
リョーマ試合だ!

負けたほうが勝ったほうの言うことをなんでも聞く!でどう?」

「望むところ!
負かして1日俺の奴隷にしてあげるよ」


いつの間にか言い合いをしてる俺ら、先輩はカメラを構えたまま固まっていた




「写真取るって言ったこと忘れてるにゃ、あの双子ー」

「どっから試合の話になったんでしょうね?」


菊丸は双子が言い合いしていたところをカメラに収めておいた


「…仲良いにゃー」

「あ、その写真いいっすね!

それあいつらにあげましょうよ!」

「賛成っ」




翌日俺達がもらった写真は

花が俺に怒りながら何か言ってて、俺がクスクス笑ってる何ともバカさ全快の写真だった



双子セット
(…アホ全快じゃん)
(写真の存在全く忘れてたよ)
(あ、花、何でも言うこと聞くんだっけ?)
(………ッチ)



――

結局試合には負けた主人公ちゃん

次回は罰ゲームをやらせられるお話

感想、リクエスト、などがある方はTopのBbsにお願いしますっ


(2012,01,10)


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ