長編

□君の幼なじみ
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「…は?

越前リョーマ?」

「そうなのっ

すっごくテニスが上手くてね、かっこよかったの!」

「……ふーん」

「…健人?」


一瞬表情が険しくなった健人

何か変なこと言っちゃったかな


「な、なんでもないない!

ほら、早く行こうぜ!」

「あ、うん!」


表情が変わったのは一瞬ですぐいつもの笑顔に戻った

きっと気のせいだよね


健人と廊下で別れた数分後


「ねぇ、あなた今の人と知り合いなの?」
「名前なんて言うのっ?」
「彼女いたりするの?」


知らない女子に囲まれました

あの人とか、今の人ってのは多分健人のことだろう

昔からこんなことは何回かあった

健人がかっこいいから…かな(私はそうとは思わないんだけど)

でもこんなに囲まれたのは初めてだ


「あ…えっと……」


な、なんとかしてここから逃げないと…

それでもなかなか抜け出せず、後ろからどんどん来る女子に押される


「…っ……わっ!?」


急に誰かに引っ張られて女子の軍団から救出された

繋がれた手の先には


「え…越前君!?」

「早く、追い付かれるよ」


パッと後ろを振り替えると先ほどの数十人の女子が追い掛けてきてる

こ、こわ!!!!

とりあえずどこへ向かって走って行くのかは分からないけど越前君に任せて、はぐれないように手を強く握った






「ここまでくれば大丈夫だね」

「はぁー…怖かった…」


連れてこられたのは屋上の死角になる場所

そこに2人で座り込んだ

………にしても
改めて越前君をちゃんと見た

少し寝癖ではねてるさらさらな髪の毛に大きくて鋭い目


「……そんなに俺見てて面白い?」

「!!あ、ごめん!
つい見とれちゃった
……え、と、助けてくれてありがとう」


そんなに見つめてしまってたんだと恥ずかしくなる


「…別に

あそこでガタガタやられるとさ、邪魔なんだよね」


衝撃的発言である

助けてくれたと思ったらまさかの邪魔発言、じゃあ何でここまで来たのよ


「……ご、めんなさい」

「誰もあんたに怒ってないから

俺が邪魔っていったのはあんたの周りにいた女子

あんたのことじゃない」


そういうとフイッと顔を反らされた

…何だかんだ言ってすごくいい人なのかな

不意に授業の始まりのチャイムが聞こえた


「…あ、授業始まっちゃうよ」

「いいんじゃない
1時間くらいさぼってもさ」


壁に背中を預けて何ともかっこいい体制の越前くん

昨日から思ってたけど、絶対もてるタイプだ

結構きつい性格だけどそこに優しさがある…みたいな…………分からん


「……寝るの?」

「まぁね、眠いし」

「…じゃあ、私も寝よーっと」

「…え」


間の抜けた声が聞こえた

もちろん越前くんが発した声だ


「ん?どうかした?」

「いや…
教室戻らなきゃダメだよとか
言われると思ったから、ちょっとびっくりしただけ」

「私そんないい子じゃないよ?」

「みたいだね」


クスッと不適に笑った越前くんに少しドキッとしながらも私は眠りに落ちた







-



「………ん」

「…目、覚めた?」

「…うん……?」


…そういえば、越前君の寝顔を見てたら私まで眠くなってきて、そのまま寝ちゃったんだっけ……?

だんだんとはっきりしていき、自分の体が傾いていることに気付いた

越前君に寄り掛かってると気付いたのはそれから数秒後


「ごめん!重かったよね!」


すぐに越前君から離れると(離れると言ってもかなり後ろに下がったが)クスッと越前君が笑った


「あんた面白いね

別に重くなかったから大丈夫だよ」

「そっか、ならよかった」


少し越前君との距離を縮める


「そういえばさ、「あ!リョーマ!こんなとこにいた!」………咲月」


越前君の話に割り込んできた声

振り向くとショートで可愛らしい笑顔の女の子がいた

目があってニコッと私に笑顔を向けた

可愛い子だなぁ


「リョーマ!入学早々サボるのやめてよね

女の子まで巻き込んでさっ」

「巻き込んだっていうか、俺巻き込まれた側……」


最もだ

越前君の反論も聞かず、話をすすめる女の子

リョーマって呼んでるってことは……

チラッと越前君を見ると私の聞きたいことが分かったのか、深いため息をついて帽子をかぶり直した


「金谷咲月
俺の幼なじみ」

「1年1組だよっ
咲月って呼んでっ
よろしくね!」

「新倉なずな
名前で呼んでっ
こちらこそよろしくね」

「うん!なずなちゃん!」


うわっ、可愛い

女の私までドキッてしちゃったよ


「…あ、あとね
越前君がサボっちゃったのは私のせいなの」

「?」


いまいち分かってなさそうな咲月ちゃんに説明を続ける


「私がちょっと幼なじみのせいで女の子に囲まれちゃって、そこを越前君が助けてくれたの

それで屋上まで連れてきてくれて、現在こんな感じに至ってます…」


咲月ちゃんは少し目を見開いてすぐにへぇ、そうだったんだと笑顔に戻った


「それなら、しょうがないね

先教室戻ってるから、早くね」

「う、うんっ」

「…はいはい」


屋上のドアが閉まる音がした

隣で越前君が盛大にため息をつく


「咲月ちゃん、可愛いね」

「……まさか
母さんに似てうるさいよ」


そう言いながらも越前君の表情は優しい

こんな表情もできるんだなぁと何だか私まで笑顔になる


「…あいつさ
小学校でもあんま友達いなかったから仲良くしてやって」

「もちろんだよ!」


まっかせてっと笑うとサンキュと越前君も笑った


「じゃあ、そろそろ教室戻ろうかっ」

「ん」



君の幼なじみ
(お前ら入学早々サボったから、余った図書委員に決定な)
(……最悪)
(……………なんかごめん)


明けましておめでとうございます!!
相変わらず文章力ない小説でごめんなさい!(土下座

今年はどの小説も同じくらいのスピードで更新していけたらな、と思っております

こんな下手くそでウ○コ並のサイトですが今年もよろしくお願い致します!


(2012,1,6)


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