長編

□ホワイトクリスマス
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「リョーマァァァ!!」

「うっ!!」


は、腹に激痛が……!!

痛みに耐えながらも目を開ければ目の前には花の顔

なんかもうすごい目が覚めた


「リョーマリョーマ!!
外外!!雪降ってるよ!」


何でこの寒い12月にこんなに元気なのこの人は


「…だから何」

「だから何じゃないよ!

ほら!早く着替えて!」


………休みの日くらい寝かしてくれ……!!!


――


「わー…すごーい……」

「ふぁぁ……」


あー眠い。

テニスコートまで来るとラインが見えないくらいに積もってた

これじゃあテニスができないじゃん


「リョーマ」

「?」


ニコニコ笑ってる花

なんか機嫌いいなこいつ


「Happy Birthday リョーマ!」


きちんとした発音が聞こえた

さすが帰国子女

って、注目すべきはそこじゃない


「……お、ぼえてたんだ」


クリスマスとかぶってるわけだし、なんとなく花は忘れてるかと思ってた


「兄弟の誕生日だもんっ、当然でしょ!

逆にクリスマスを忘れちゃいそうなくらいだよ」

「なんだそれ」


思わず笑ってしまう

昔から花の発言には笑わされてばかりだ


「それでねー……
じゃじゃーんっ!」


変な効果音と共に俺の前にラッピングされた箱が出された


「……これ…」

「誕生日プレゼントだよ

私からリョーマにっ」


笑顔の花の頬はほんのり赤い

なんかすごい嬉しいんだけど

普段クリスマスと一緒にされるからかも

花からっていうのも素直に嬉しい


「…ん、サンキュー」

「開けて開けてっ」


何だか可愛らしくラッピングされたリボンをほどいて箱を開けると

「…あ」

「えへへ

リョーマさ、この前マフラーなくしたでしょ?

だからそれと、マフラーだけじゃあれだから手袋もっ

しかもね!
その手袋は、私と色違いのお揃いなのです!」


どこからか手袋を取り出した花

ほんとだ

箱に入ってた青色の手袋と色違いのピンクだ


「……ありがと、花」

「どういたしまして!

じゃあこれから商店街に行こう!」

「は?」

「私とリョーマがカップルに間違えられるか賭けでもしよ!」

「…くっだらな……
間違えられないでしょ」


何が面白くてそんなことしなくちゃならないんだ


「言ったね!?
じゃあ間違えられるにあんまん!」

「間違えられないに肉まん……」



散々なクリスマスだった




嬉しさからの急降下
(あの、クリスマスカップル特集の者ですが)
((…うっそ))



(2011/12/25)

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