長編

□禁止ワードと全裸
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「…疲れたぁ」

「今日も部活お疲れ様」

「あ!
今日さ、うちの親いなくて飯ねぇんだよぃ」

「へー…?」


…で? あたしにどうしろと?


「だから夕飯作りにきてくれぃ!」

…なるほど





一緒にスーパーに行って決まったのがカレー

材料を買って袋を持つと、横からブン太に袋を取られた


「肩、まだ治ってるわけじゃねぇだろ

俺持つから無理すんな」

「…ありがと」

「…おう」

肩の怪我は病院に特に問題ないと言われた

でも治るのに少し時間がかかるらしくて、肩はいまだに痛い

ブン太のせいじゃないと言ったものの本人は気にしてるようで、最近妙に優しい


「さっさと帰るぞ
寛太と健太、腹減ってると思うしな!」

「ブン太もでしょ?」

「…ばれた?」


私が笑えばブン太も笑った






「…こ、これほんとにお前が作ったのか?」

「…何言ってんの?
当たり前じゃない」

「「おいしそー!!」」


ブン太だけじゃなくて寛太君も健太君もいっぱい食べるからカツカレーにしてみた


「…お前……料理うまいんだな!」

いつもみたいに変なけちをつけないから何か照れた


「…当然でしょ」


…ほとんど毎日作ってたし

最近はブン太ん家で食べることが多くなったけど

前までは、誰もいない家でご飯作って1人で食べて…

多く作りすぎたからお母さんにと思って置いといたらいらないって
…食べて欲しかったなぁ


「…なずな?」

「…え?」

「ボーッとしてどうしたんだ?
お前も早く食べようぜ」

「あ、うん」


ブン太の隣に座って


「「「「いただきまーす!」」」」


4人でご飯を食べた

おいしい!って作ったカレーを食べてくれてる3人を見ながら、やっぱりいいなぁって思った

ここに食べにくるたびに丸井家が私の中でどんどん大きくなって、今では必要不可欠といっても過言ではないくらい大切だ


「なずな!おかわり!」

「食べるのはっや!
ご飯どんくらい?」


お皿を受け取って綺麗に食べてくれたのが嬉しくて自然と口が緩む

「大盛り!」

「はいはい」


ご飯を盛ってカレーを入れてブン太に渡すと


「ブン兄ちゃんとなずなお姉ちゃん夫婦みたいだね!」

「俺もそう思った!!
新婚さんみたい!」


急に2人がそんなこと言うもんだから


「なっ…!!」
「えっ…!!」


真っ赤になった私とブン太

ふ、夫婦とか新婚とかこの子達は何を言って…

ま、まぁ
きっと家庭ってこんな感じ何だろうけど…って、じゃなくて!!!


「お、俺がこんなんと結婚とかするわけねぇだろぃ!

ま、まぁ
家庭ってこんな感じ何だろうけど……って、そうじゃなくて!!」


顔を真っ赤にしながらブン太が言った言葉は私が考えてたことと同じことでした

こんなときにシンクロしても全く嬉しくないけどね、うん


「…でも
ブン兄ちゃんとなずなお姉ちゃんお似合いだよ!」

「似た者同士っ」

「も、もう分かったからさっさと飯食え!!」


顔を真っ赤にして叫ぶブン太は全く迫力がなくて、寛太君も健太くんもクスクス笑ってそれ以上何も言わなくなった

どっちがお兄ちゃん何だか


「……なんと
ちゃんとご飯食べた人には、デザートのケーキがございます!」



この後の3兄弟の食べる速さは尋常じゃなかったよ





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