長編

□教わる、襲われる
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「ねぇ、どっからこの見たことない公式でてきたわけ?」

「あれ? こんな公式なかったっけ?」

「…ないから」


もうすぐ中間テスト

部活も1週間前から無くて暇すぎる

まぁ、家帰れば花とできるからいいんだけど


「…じゃあ、ここは?」


問題を指差す


「…………分かんない」

「…は?」

「だから分かんないって」

「…っの、バカッ」


花の頭を軽くチョップする

涙目でにらんでくる花を無視して問題の解説を始めた

…この問題
今さっき教えたばっかなのに……

「分かった?」

「…た、多分」


…本当かよ


「じゃ、ここまでこの公式使ってやる問題だからやってみ?」

「…ま、任せて」


冷や汗たらたら流して問題にとりかかる花

問題を睨んだり、眉間にしわが寄ったり、シャーペン口に乗せたり…

百面相してる花が面白くてつい笑ってしまう


「…なによー」


むすっと俺を睨んでくる花の頭を軽く撫でる


「赤点回避したら
テニス、やりたいだけ付き合うから頑張れ」


俺を睨む顔が一瞬で笑顔になる


「ほ、ほんと?」

「その代わり、赤点取ったら襲うから」

「…だから双子だって」

「関係ないってこの前言ったでしょ」

「…絶対赤点取らない」

「ま頑張れ」


言っとくけど俺は本気で襲うから

そう言ったら何故か解答率が上がった




俺の妹は単純バカ
(リョーマ!100点取っちゃった!!)
(…まじかよ)



(2011,08,23)


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