長編

□リストバンドの悲劇
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「ただいま!

お父さん!菜々子さん!」

「お帰り、花!」

「花さん、お帰りなさい!」

久しぶりに親父と菜々子さんに会えたのが嬉しいのか
いつもならきちんとそろえてる靴もぐちゃぐちゃに放って家に入っていった


…俺がそろえておいたけど


「…靴ちっさ」


身長も小さいからか靴も小さい

22.5らへんだろうか


どうでもいいか、そんなこと


リビングに行けば花は菜々子さんと座って話してた

すごい笑顔で


「リョーマ!

花の荷物届いてるから
部屋の片付け手伝ってやんな!」


「えー……

俺宿題やろうと思ったんだけ「花から煎餅の土産があるぞ」やる」


煎餅で動く自分は単純だと思ったけど最近食べてなかったし丁度いいや


「花!

リョーマと部屋、片付けてきな!」

「はーい!」



-



「……終わった」

「お疲れさまー」


思ったより結構疲れた

女子って何で荷物が多いわけ?

必要最低限のものだけでいいじゃん


「…じゃあ
これはリョーマにお礼として」

「?」


はいっと渡された手の平サイズの袋


「なにこれ」

「開けてみればいいでしょ」


恐る恐る開けてみれば
出てきたのはリストバンド

花からプレゼントなんてびっくりしてパッと花を見る


「…花、赤いよ」


恥ずかしかったのか少し頬が染まってた


「うっさい」


…俺にくれたんだなぁと思うと嬉しくて何か口が緩む


「…な、なにニヤニヤしてんのよ」

「……別に

花、ありがと」


リストバンドを指差し早速腕につける

うん、いい感じ

花は未だに黙ってる

少し頬が赤いままだ


「………明日は雨かな」

「…何ですって…?」


小さな声で言ったはずなのに花にはばっちり聞こえてたみたい

…そういえば地獄耳だったけ


「花からプレゼントなんて珍しいからね

明日は雨だよ」

「……返せ」

「…ヤダ」

「返せぇぇ!バカリョーマァァ!」

「うっわ!!」


急に飛び付いてきたもんだからかわせなくてそのまま花に倒された


真上には天井と花


…普通逆じゃない?


花は全くそんなことを気にしてないようで俺の腕についてるリストバンドを取ろうと必死になってる


その手を逆に掴む


「………?」


なによ、と俺を見る花の腕を引っ張って俺と花の位置を逆転させる


「……な、なにして…」

「え?誘ったんじゃないの?」

「いや、誘うも何も双子なんだけど…」

「関係ない」



その日は花の叫び声が越前家に響きましたとさ




(2011,08,16)


グダグダ\^p^/

ちなみに花は襲われてない…はず←


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