長編

□帰ってきた片割れ
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「……は?

俺に似た女子?」


朝っぱらから
登校中お前に似た女子見たんだぜ!
とか言われた


英語がペラペラで髪はセミロング

目が大きかったらしい


まさか…とか思ったけど
その考えは自分の中で消し去った

あいつは…まだ…あっちだし


堀尾がペラペラ1人で喋ってる間にチャイムが鳴り、皆がパラパラと自分の席に着く


もちろん俺は担任の話なんかに興味はなく
いつも通り机に頬杖をつき窓の外を見てた

…昨日、ゲームを夜遅くまでやってたから眠い


「…転校生を紹介する

入ってこい」


ガラッとドアが開き
転校生が入ってきたと分かった


顔はそのままで目だけ教卓にうつす


「………嘘だろ…」


教卓の横に立ち黒板に自分の名前を書いた女子


テニスバックをしょってて
目が大きく髪はセミロング


越前花


綺麗な字でそう書かれていた



「越前花です

アメリカから来ましたっ

名字見てもう分かった人もいるかもだけど…

リョーマとは双子です!

……ちなみに私が姉で「俺が兄だろバカ花」…ッチ」


……今聞こえた舌打ちは無視


そして何故か隣の席になった俺達


-



「……で、何で花が日本に?」


話は変わって休み時間

さすがの俺だって驚いた

アメリカにいるはずの俺の片割れが今、目の前にいるんだから


「アメリカ飽きちゃったんだもん
強い人もいないし毎日退屈でさぁ…

お父さんに言ったら
すぐこっちに来る手続きしてくれた」


ニヒッと笑う花

…呆れた


「これからやる予定だった試合とかは?」

「何も言わず来ちゃったから分かんないや」


……すぐ行動にうつしちゃうのが花の悪い癖

後先考えず行動するもんだからいつも失敗するんだ

…まぁ、実際失敗なんてほとんどなかっただろうけど


「越前!」

「「?」」


越前なんて呼ばれたもんだから当たり前のように2人で振りかえる


「あ、どっちも越前だったな

悪い悪い

越前妹の方は名前で呼ばせてもらうな」

「あ、今朝のカタコト君」

「堀尾だ!!

…ま、今朝は助かったけど」


越前って2人いるから片方を名前呼びするのはしょうがないことだけど…

なんかきにくわなかった


「…っにしても
今日からまたうるさくなるな」

「どういうことかな、リョーマ君」

「そのままの意味ですけど」


ぎゃーぎゃー騒ぐ花

ほんと全く変わってないんだから


「……おかえり、花」

「………ただいま、リョーマ」


とりあえず
おかえりとは言っておこう





(11,08,12)


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