長編

□助けと感謝
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「お前何か今日おかしくねぇ??」

「へ!?」


休憩中

ブン太が飲み物を飲みながらぼそっと言った


「な、何で?」

「いやなんかさ……
体を庇ってるというか…」


なんでこんなときは鋭いのよー!!!!


肝心な時にはアホ面してるくせに気付いてほしくない時はすぐ分かっちゃう…


「べ、別にそんなことないよ!!
わ、私はいつも通り元気元気!!」

「…………」


ブン太が私をじーっと見てくる

その視線に耐えられなくて目をそらす


「…ま、何ともねーならいいんだけどさ」


……まさか


「心配…してくれたとか?」

「!!」


顔がぼっと赤くなって目が大きく開かれる


「ば、ばっかじゃねーの!?

ただ、どっか調子わりーならいつもみたいに技かけられねーし?

う、自惚れてんじゃねーよ!!」


うわ…

すごい動揺ぶり

でも、ブン太はブン太なりに私のこと心配してくれたんだなー…って少し嬉しかったりして


「…心配してくれてありがとね」

「……フンッ」


その後の練習は、左肩と背中の痛さに何とか耐えられた

幸村君にすごく見られてた気がするけど…

私の気のせいだろう


-


「はー!美味しかった!!
ごちそうさまでした!」

「ごちそーさま」

「「ごちそうさまでした!!」」


口の周りにご飯粒をつけてる2人は、やっぱりいつ見ても可愛いです


「なずなお姉ちゃん!!遊ぼ!」

「その前に口の周りついてるご飯粒取ってあげる

2人共、こっちおいで」


私が言うと2人はすぐ来てくれた
兄弟がいない私にとって
家族が近くにいない私にとって
丸井家の存在はすごく大きかった

「はいっ!取れたよ!」

「「ありがとう!なずなお姉ちゃん!」」


ガバッと2人同時に私に飛び付いてきて


「……っ!!!」


前から飛び付いてきたから左肩に2人の体重がかかる

痛い…

こんな小さな子に抱きつかれただけでもこんなに痛い


「…お姉ちゃん?」

「…大丈夫?」


私の顔が痛みで歪んだのが見えたのか、心配そうに2人が私を見てた


「…あ、大丈夫!
何ともないよ!」


痛いけど我慢我慢

こんな子供に心配かけさせてどうするの


「…じゃあ!
私と遊ぼっ「おい」……か…?」


後ろから聞こえてきた声に振り向くと、ブン太が私を見下ろしていた

声はいつもより何か低かった気がする


「なに?」

「寛太、健太、ちょっとこいつ借りるぞ」

「は?
あんた何言って…ちょ!!離して!」

急に右腕を掴まれたかと思ったらそのままズルズル引きずられ、2階につれていかれた

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