短歌
□青い空
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オレの好きな奴はいつも笑ってる。悲しい事や辛い事を知らないかのように……。
青い空
「平助君ッ!」
「んお?名無しさんじゃねーか、どうしたんだよ?」
オレの目の前に居る彼女の目は何処か悲し気で、いつものあの笑顔が無かった。
「どうしたんだよ?」
「あの、ね……私、振られちゃった………の…。」
「は!?」
名無しさんの一言にオレは衝撃を受ける。嘘だろ……名無しさんに好きな人…?
「その人はね、千鶴ちゃんが好きなんだっ…て…。」
一言一言綴る度に名無しさんの声はどんどん震えていく。
そして、オレの心も泣き叫んでいる。
「でも、私、諦め切れなくって…」
名無しさんの頬に涙が伝う。嗚呼羨ましいよ…
名無しさんの好きな奴はこんなに思われているってのに…。
「平助君ッ。好きだよ…千鶴ちゃんが好きだとしても、私ッ!!」
頭に鈍痛が走った。好き……?名無しさんが…?オレを…?
さっきまでの悲しみを忘れたかのように口元に笑み戻る。
「平助……君?」
名無しさんが不思議がってオレの顔を見る。
その額に口付けをそっとした。
青い空
(何処までも続く空の下)
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