短歌

□青い空
1ページ/2ページ



オレの好きな奴はいつも笑ってる。悲しい事や辛い事を知らないかのように……。









青い空










「平助君ッ!」




「んお?名無しさんじゃねーか、どうしたんだよ?」




オレの目の前に居る彼女の目は何処か悲し気で、いつものあの笑顔が無かった。




「どうしたんだよ?」




「あの、ね……私、振られちゃった………の…。」




「は!?」




名無しさんの一言にオレは衝撃を受ける。嘘だろ……名無しさんに好きな人…?





「その人はね、千鶴ちゃんが好きなんだっ…て…。」




一言一言綴る度に名無しさんの声はどんどん震えていく。
そして、オレの心も泣き叫んでいる。




「でも、私、諦め切れなくって…」




名無しさんの頬に涙が伝う。嗚呼羨ましいよ…
名無しさんの好きな奴はこんなに思われているってのに…。




「平助君ッ。好きだよ…千鶴ちゃんが好きだとしても、私ッ!!」




頭に鈍痛が走った。好き……?名無しさんが…?オレを…?
さっきまでの悲しみを忘れたかのように口元に笑み戻る。




「平助……君?」




名無しさんが不思議がってオレの顔を見る。
その額に口付けをそっとした。











青い空
(何処までも続く空の下)
(2人は1つになった)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ