BL

□どうして?
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骸――…

骸――…

どうして―――…?



『どうして?』







月の光が応接室を照らす。

――雲雀の白い頬には
一筋の涙



「どうして―どうして…どうして………っ!」


雲雀は錯乱状態に陥っていた


この世界は10年後の世界            
ツナ達は百蘭に
打ち勝った

これでやっと10年前に
戻れるんだ。

―――でも…


骸とは…また会えなくなるのだ。




「骸………」




雲雀は泣き疲れ、深い深い眠りへと落ちていった







『弥…く………』

低く安心する声が聞こえる           
『…恭弥くん…。』

ぱち………



「む…くろ…?」

『えぇ。』

ばっ。

「どこに行ってたの!? …心配したんだよ?」

雲雀はまた泣き出しそうになりながら骸に問い詰める

すると、骸は
どこか悲しげな笑顔を浮かべ

『すみません恭弥くん… また暫く会えません…。』
と、言った

「…どうして!?」

「少し…無理をし過ぎたようです…
恭弥くん。…好きです。 僕はずっと君を愛しています。」

唇を重ねる。
いつものキスとか違う
割れ物を扱うようなキスに不安を覚える

「ん…骸……?」

「Ti amo……恭弥くん」

さらさら…


消えてゆく骸の体。


「やだ…骸っ!」

―今。

今掴まないともう一生
骸に会えない気がして。

骸の腕を必死に掴もうとする雲雀。



骸は――柔らかく笑っていた。






雲雀は目の前が真っ白になった





「ん……」 ムク

雲雀は応接室にいた。

外を見ると、もうだいぶ
寝ていたようだ


また

涙が溢れてきた



―どうして?

―ずっと一緒にいるって言ったじゃないか



骸―……



月の光が雲雀を照らしていた










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