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□相互補完
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「長次、布団に入ろうぜ」

小平太は腕を掴むと、そのまま寝転がって、自分の上に長次を引き倒した。

「長次来いよ」

「小平太…」

長次は少しだけ躊躇ってから小平太の頬に口付けを落とした。

「こへ。 もう。だいじょうぶだ…。 大丈夫だから」

「ん、わたしはこのまま抱かれるつもりだったんだけど。…いいのか?」

小平太は笑うと、長次の背中に回した腕で、彼を優しく撫でた。

「いいんだ。ただ……」

長次は小平太の耳元で言う。

「ただ…、何?」

「このまま眠りたい」

長次はそう言うと、小平太をぎゅっと抱きしめた。
小平太は笑いをこらえながら、それでもクスクスと笑った。

「くっ…くっ…。長次は可愛いなぁ」

小平太は愉しそうに言うと、長次の髪紐を解いて、頭を撫でた。





埋め合うように、補うように。
こうやって私たちは人であることを必死で取り戻そうとしている。






「小平太。おまえが居てくれて良かった…」

「うん。これからもずっと一緒に居るだろ」

「……そうだな」






嫌な事など考えたくない。

どうか。
どうか、ずっと傍に。











*** おわり ***




2013.2.22
ゆう







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