よみもの

□抗う心と同調するその他
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笑えと言われたら笑います。
泣けと言われれば泣けます。
怒れと言われたら怒りましょう。
楽しめと言われたら楽しみましょう。
頭蓋骨に隠れた貴方に言われたとおり、私は貴方を守る外側。
白い骨に纏う血肉と、肌色の皮膚を使って、貴方の言葉を忠実に再現していくのです。

他人の目には滑稽に映ることもありましょう。
しかしそれすらも貴方の思惑どおりに仕組まれているのでしょう?
だって貴方のことですもの。


違う、違うの、そんなことが言いたいんじゃないのよ。
でも、だって、そうしないと怖いのよ。
きっと貴方達は離れていくわ。
そうしたら私、今よりも心を病んでしまうわ。
心を、食べられる音がするの。

キャラメルのように溶けている時もあれば、まるで林檎や梨のようにしゃくりとみずみずしい音をさせて。
だけどそれと違うように、私の心は悲鳴を上げて抗うの。

周りの神経や思考、理性が急かして、急かしながら大丈夫ってあやすから、私、怖いの。

きっといつか、私ごと飲み込むわ。

それこそ、忠実に動くよりよっぽど滑稽よ。

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